7/18(水) 11:21配信
Web東奥

 青森県十和田市の三本木農業高校動物科学科・馬学研究室の2、3年生15人が、学校で飼育する馬のふんを再利用した手作りの紙「うまさんペーパー」プロジェクトに取り組んでいる。馬に関係するものを再利用する研究課題の実践を兼ね、昨年から試行錯誤した末、試作品を完成させた。馬産地の歴史を持つ十和田市をアピールする、ユニークなアイテムとして将来の実用化・普及を目指す。

 同校はこれまで、馬のふんを堆肥化し、もっぱら土壌改良のために使っていた。他にリサイクルできる用途を探すうち、海外で象のふんからリサイクルペーパーを作っている事例を知ったという。「象のふんでできるなら馬でも」。昨年11月から試作を始めた。

 製作は象のペーパー作りを参考にした。具体的には(1)固形状の馬ふんを水に1週間浸した後、鍋で約1時間半煮込む(2)水洗いして3週間乾燥させる(3)繊維状になったふんと、抽出した古紙パルプを混ぜ、すき板(網戸)に(4)約1週間乾燥させて完成−となる。

 最初、混ぜ合わせる古紙にティッシュペーパー、トイレットペーパーを使ったが強度が足りなかった。市販のお菓子の箱を使ったところ、パッケージの色が紙ににじみ出て失敗。何度も試した結果、印刷フィルムをはがした牛乳パックが最適と分かったという。

 工程はすべて生徒の手作業。亀山里音さん(17)は「ふんは交代で煮込んだが、やっぱりにおいがきつかった。女子高生がやることじゃないとも感じた」と笑う。網戸ですき作業を行っていた宍倉紫苑さん(17)は「量、厚さは決まっていない。はっきり言って適当です」。

 出来上がったうまさんペーパーをハガキ大に切り、切手を貼り郵便ポストに投函(とうかん)したところ、学校に無事届いたという。楢山実侑さん(17)は「実用化させ、ペーパーを2026年のうま年の年賀状として使うのが夢」と語った。

 生徒たちのプロジェクトは、市の本年度の「元気な市づくり市民活動支援事業」に選ばれ、補助金が支給される。指導する日野澤義子教諭(44)は「生徒は市外の出身者がほとんどだが、馬産地の歴史を学び、ここを盛り上げようと頑張っている。市民の方にもPRしていきたい」と意気込んでいる。

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