2018.07.23 21:36
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米シカゴのドラッグストアでこのほど黒人女性がクーポンを使おうとしたところ、白人マネージャーの男性に拒否され警察に通報されるという出来事が起こった。アメリカではたびたび黒人差別問題がメディアで取り上げられているが、今回も黒人差別を示唆する報道がなされている。『Inside Edition』『ABC 7 Chicago』などが伝えた。

7月13日の夜、ドラッグストア「CVS Pharmacy」のシカゴ店でカミラ・ハドソンさんがクーポンを使って買い物しようとしたところ、マネージャーのモリー・マトソンさんが「こんなクーポン見たことない。受け付けられない」と使用を拒否した。

理由を尋ねると「偽物に見える」と言われたため、カミラさんが名前とストアでの役職を訊くとモリーさんは失礼な態度に出始めた。そこでカミラさんは携帯電話を取り出しその様子を録画しようとしたところ、モリーさんは背を向け歩き去ったという。「本社にクーポンのことを問い合わせてほしい」と頼んでいるにもかかわらず無視され、カミラさんが後を追うとモリーさんは店の奥に駆け込んだ。すると別のマネージャーが出てきて、カミラさんに「彼は今、警察に通報しているから、あなたは店から出て行ったほうがいい」と忠告された。

通報される理由などなにもないカミラさんは断り、そのまま店内にいた。モリーさんは最初の通報がうまくいかなかったようで、再度カミラさんの目の前で電話を取り「911」コールをした。その時の様子をカミラさんは携帯電話に収め、Facebookへ投稿した。

動画には、手を震わせながら通報しているモリーさんの様子が映っている。モリーさんは電話口で「アフリカ系アメリカ人女性」と発言し、カミラさんが「私はアフリカ系アメリカ人ではありません。黒人よ。黒人と発言するのは何も悪くはないわ」とモリーさんに伝えている。しかし「客がスタッフに嫌がらせをしている」と通報を受けたシカゴ警察官3人は、現場へと駆けつけた。

事情聴取を受けた後にカミラさんは店を出たが、モリーさんの対応に明らかにショックを受け、Facebookやメディアの取材でこのように話している。

「私がスタッフを脅して店から出て行くのを拒否したと警察は聞かされたようですが、それは事実ではありません。彼は私に『警察を呼ぶ。逮捕されたくなければ今すぐ店から出て行け』と言ったのです。通報時、彼の手は震えていました。きっとナーバスになっていたか、大量にアドレナリンが放出していたのでしょう。
妥当とはいえない状況で、このように黒人が白人に通報されるという出来事は今に始まったことではありません。私は黒人としてこのような対応を受ける初めての人でもないし、最後にもならないでしょう。でもこれは大きな問題です。明らかにこの行為は行きすぎですよ。でも残念ながらこれがアメリカで暮らすということなのです。」

実はモリーさん、トランプ大統領の支持者であり2019年のシカゴ第48区の市議会議員に立候補している。しかし2016年には市への嘆願書の署名を改ざんしたことが原因で、選挙管理委員会の調査を受けていた人物であった。

今回の件でCVS側は15日にカミラさんに謝罪し、モリーさんを解雇したことを伝え「全てのお客様に対する従業員の差別を決して容赦しない」とも述べている。このニュースを知った人からは「トランプ支持者だったらなおさら、黒人へのこういう対応は驚かない」「くだらないことでいちいち警察を呼ぶな!」
「言われたまま店を出ていたらこの女性、きっと逮捕されていただろうから、勇気を出して居残ってよかったよ」「こんなふうにくだらないことで通報されて黒人の命が奪われていくんだよね」「明らかに客への対応を知らないマネージャーだな」「こんなマネージャー、とっとと解雇されて良かったじゃない」といった声があがっている。