2018-07-31
 1986年から発売がスタートしたカネボウフーズ(現・クラシエフーズ)の『ねるねるねるね』。魔女の姿をしたおばあさんが、商品を口に含んだ瞬間、「テーレッテレー!」と音が鳴り部屋も明転…
その当時のCMは、一度見れば忘れられないインパクトを放っていた。当時は「サイバー菓子」「ケミカル菓子」などとジャンル分けされることもあったが、時を経て「知育菓子(R)」と名を変え、
“ラーメン”や“たこ焼き”を再現できるなど、『ねるねるねるね』から進化した製品が次々と登場。誕生からの歴史を紐解くべく、クラシエフーズマーケティング室の宮迫さんに話を聞いた。


「サイバー菓子」から「知育菓子」と名を変えたきっかけとは

「『知育菓子(R)』と名付けたのは2006年からです。それまで『ねるねるねるね』は、作っている途中に紫や緑色といった明るい色へと変化し、膨らむ作用もあることから『サイバー菓子』
『ケミカル菓子』という名前で表現されていました。子どもたちからは興味を持ってもらえていたのですが、親御さんには“体に悪い”というイメージを持たれていました。
それを払拭するべく、“子どもたちの知的好奇心をくすぐる”という特徴を打ち出した『知育菓子(R)』という名称に変更しました」(宮迫さん)

 発売当初は「おどろおどろしい」「どんなお菓子かわからない」という怪しさがフックになり、売上を順調に伸ばしていたが、時代の変化ともにそれが通用しなくなり、
「どんなものが出来るのか」「何が入っているのか」がわかるような、商品の“透明性”が求められるようになった。だが、売上が鈍化したのは他にも理由がある。

「単純にパッケージを見て『美味しくなさそうだから』という声があったのも事実です。そのため、2011年にパッケージを大きくリニューアルして、実際の商品の完成写真を載せるなど、
『食べたい』と思ってもらえるような“シズル感”を演出しました。以前は『面白そう』から購買につながっていましたが、いまでは『美味しそう』というフックが重要となってきています」(宮迫さん)

 パッケージリニューアル後に“保存料・合成着色料ゼロ”とマーク表記するようになったのも、「体に悪いお菓子じゃないですよ」と親御さんにしっかりと伝えるためで、現代ならではの配慮表現と言える。
ちなみに味の方も、パッケージリニューアルと時を同じくして、レギュラーの「ぶどう味」を現代の子どもの味覚に合わせて“甘め”に変更している。


→本格的な味だったラーメンは“コーラ味”にしたところ人気に
→駄菓子屋減少も…“出張授業”で子どもたちに啓蒙活動
https://www.oricon.co.jp/special/51491/