https://www.sankei.com/images/news/180807/plt1808070009-p1.jpg

 政府・与党が、75歳以上の後期高齢者医療制度で現役世代と同じ3割負担の対象の拡大を検討していることが6日、分かった。高齢者医療費の増加に伴い、現役世代の過重な負担を解消する狙いがあり、具体的には今後詰めていく。

 後期高齢者医療制度では、医療機関での窓口負担は75歳以上の世帯員がいずれも住民税の課税標準額が145万円未満の場合は1割負担、75歳以上の世帯員に145万円以上の人がいる場合は3割負担となっている。保険料率は都道府県によって異なる。

 総務省によると、75歳以上の人口は平成28年10月1日現在1691万人で、総人口に占める割合は13・3%に上る。同省などは37(2025)年に2179万人(人口比18%)、72(2060)年には2336万人(同比27%)に増加すると予測しており、国民皆保険をいかに持続可能な制度にするかは喫緊の課題となっている。

 こうした状況を踏まえ、公明党はこのほどまとめた31年度予算概算要求の原案で、対象拡大を明記した。「高齢者医療費の増加に伴い現役世代の負担は過重なものになっている」とし、「現役並み所得者の後期高齢者の対象拡大については、現役世代の負担が増加しないように検討する必要がある」と明記した。

 福祉政策を重視する同党が高齢者の負担増を容認したことで医療費をめぐる議論が一気に加速するとみられる。同党は7日にも政府側に要望書を提出する。

2018.8.7 07:07
産経ニュース
http://www.sankei.com/politics/news/180807/plt1808070009-n1.html