http://www.sankei.com/world/news/180817/wor1808170024-n1.html

 【ニューヨーク=上塚真由】自身に批判的な記事を「フェイク(偽)ニュース」と非難し、一部メディアを「国民の敵」と断じたトランプ大統領に抗議するため、全米の350を超える新聞社が16日、報道の自由を訴える社説を一斉に掲載した。

 ボストン・グローブ紙が全米の新聞社に呼びかけて実現。各紙は共通して報道の自由の必要性を主張したが、具体的な表現はそれぞれの判断に委ねられた。ニューヨーク・タイムズ紙は「誤った報道を正すことはわれわれの仕事の核心部分にある。ただ、気にくわない真実をフェイクニュースと主張し、記者を国民の敵ととがめるのは民主主義にとって危険だ」と批判。合わせて約70紙の主張も抜粋して紹介した。

 米国の日刊紙は1300紙程度あるとされ、掲載を見送ったサンフランシスコ・クロニクル紙はキャンペーンの趣旨には賛同するものの、報道機関の独立性が重要と説明した。

 トランプ氏は16日、ツイッターに「フェイクニュースメディアは野党だ。私たちの偉大な国にとってとても悪い。だが、われわれは勝利する!」と書き込み、キャンペーンに反論した。

 米国ではトランプ氏のメディア敵視の姿勢に非難が集まる一方、メディアの信用低下も加速している。とくに共和党支持者の間で著しく、米調査機関ピュー・リサーチ・センターの昨年6月の調査によると、メディアが自国にマイナスの影響を与えていると答えた共和党支持者は85%となり、2010年の68%から大幅に増えた。