各店に出された飲食代無料の貼り紙(写真は、hayasakanta@hayasakantaさん提供)
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夏の甲子園で準優勝した、秋田代表の金足農業高校への応援に感謝するため、居酒屋チェーン「半兵ヱ」の直営店など51店では、1日限定で飲食代無料に踏み切った。

これに対し、ネット上では、気持ちでお金を置いたといった声も出ていた。J-CASTニュースでは、51店中2店、金足農の地元の秋田と東京都内の各1店に、当日の様子を聞いてみた。

■「『今度お金払いにきます!』って言って退店した」

半兵ヱを運営するドリームリンク(秋田市)は、もし金足農が優勝したら、2018年8月21日の飲食代を半額にする予定だった。店舗は北海道から九州まで展開している。

結果は、準優勝だったが、秋田出身で甲子園にまで駆け付けた村上雅彦社長が、熱い応援ぶりに感激して、「すべて無料にする」と決めた。

ツイッター上などでは、本当に無料だったと驚く声が相次いでおり、大学生という「hayasakanta」さんもツイッターで、4人で店に行って「怖くて店員さんに確認した」と明かした。

すると、店員からは、「何飲んでも何食べてもタダ」と言われたという。しかし、「心配すぎて逆に全然頼めない」「何をモチベーションに働いてるんでしょうねこれ」とまた怖くなった。そして、「しっかり気持ちとして4人で1万円置いてきました」と漏らした。

ほかにも、「半兵ヱ、本当に会計なくて、店員のお兄さんに『今度お金払いにきます!』って言って退店した」「隣のお客さんが、どうやって帰っていいのかわからず、とりあえず財布を取り出してみるの見て笑ってる」といった書き込みがあった。

そこで、秋田駅前店に22日、取材してみると、この店では、飲食代を支払ったり、後からお金を持ってくると言ったりした人はいなかった、と店長が答えた。

■「これをきっかけに、また足を運んでもらえれば」

「お客さまも最初は半信半疑で、『お代はいらないです』とお話しすると、喜んで帰っていかれました。午後5時に開店してから、お客さまがたくさん来られ、電話も鳴りっ放しでした。途中で在庫がなくなって、出せなくなった食べ物もありました。最後まで営業しましたが、ほぼ在庫は空の状態でしたね」

8月21日の1日で、週末の日と同じぐらいの100人弱の来店があったそうだ。

次に、都内のある直営店に取材すると、この店の店長も、飲食代を支払ったり、後からお金を持ってくると言ったりした人はいなかったと話した。

在庫がなくなり、閉店時間の1時間前には、「大好評につき売りつくしました」との貼り紙を出して、営業終了を知らせていた。

ドリームリンクの広報担当者は22日、飲食代を支払った客がいたかについて、「hayasakanta」さんのケース以外は、特に聞いていないと取材に答えた。

在庫がなくなって早めに営業を終えたのは、秋田長屋酒場の1店は確認したが、後は確認していないという。飲食代無料による赤字は、800万円ぐらいになるとしたが、「これをきっかけに、また足を運んでもらえれば」と話している。

2018/8/22 17:52
J−CASTニュース
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