読売新聞 2018年08月30日09時19分

家具販売業界で明暗が分かれている。郊外型の大型店が中心のイケア・ジャパンが伸び悩む一方、都市部の小型店に力を入れるニトリホールディングスや良品計画は好業績を維持する。
人口減で家具市場が縮小する中、店舗網や業界の再編は避けられない状況だ。

イケア・ジャパンは29日、東京都内で事業説明会を開き、ヘレン・フォン・ライス社長が日本事業の戦略見直しを表明した。
具体的には都市部での小型店の出店を進め、2019年にも東京23区内の主要駅周辺で複数の店舗を開業し、大阪出店も検討する。

06年に日本市場に本格参入して以降、シンプルでおしゃれな北欧デザインの商品をまとめ買いするスタイルで人気を集めてきた。
だが、国内の9店舗はいずれも郊外の大型店で、「若者が車を持たなくなった影響」(幹部)もあり、ここ数年は集客力に陰りが出ていた。
インターネット事業にも出遅れ、17年8月期決算は10億円近い最終赤字を計上した。

これに対し、元々は郊外店が多かったニトリは、いち早く都市部への小型店出店にかじを切った。

15年から東京・銀座、16年に新宿、17年には池袋や渋谷に相次いで店を出した。
ひんやりした肌触りの寝具などの機能商品も相次いで投入して幅広い年齢層を囲い込み、ベッドやソファなど比較的高価な商品の販売につなげている。

郊外型の大型店が多いイケアの店舗(29日、千葉県船橋市で)
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