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戦死者遺骨に「日本人なし」 厚労省が鑑定結果公表
2018年8月31日 19時12分

フィリピンで戦死した日本兵のものとして収集された遺骨の一部について、6年前、国の委託を受けた2人の専門家が「日本人とみ見られる遺骨は1つもなかった」とするDNA鑑定の結果をまとめていた問題で、厚生労働省は31日になって、この鑑定結果を公表しました。厚生労働省は現地に保管されている残りの遺骨についてもDNA鑑定を進め、今後の対応を検討するとしています。

フィリピンで戦死した日本兵の遺骨収集事業をめぐっては、平成22年、遺骨の中にフィリピン人のものが混入している疑いが指摘され、厚生労働省は現地で保管されていた遺骨の一部のDNA鑑定を3人の専門家に委託しました。

厚生労働省は平成23年、このうち1人の鑑定結果を公表しましたが、残りの2人の専門家が6年前にまとめた「日本人と見られる遺骨は1つもなかった」とする鑑定結果については公表していなかったことが、今月、NHKの取材で明らかになりました。

これについて、厚生労働省は31日になって、2人の専門家の鑑定結果を公表しました。

厚生労働省は「すでに公表していた鑑定結果を覆すようなものではなく、当時は公表しなかったと推測しているが、いま考えれば2人の鑑定結果についても速やかに公表すべきだったと反省している」としています。

厚生労働省はことし5月、中断していたフィリピンでの遺骨収集事業を8年ぶりに再開すると発表していますが、現地に保管されている残りの遺骨についても、DNA鑑定を進めたうえで、フィリピン政府と協議し、今後の対応を検討するとしています。