■ヨーロッパの国で行われた挑戦 覚せい剤に大麻…薬物使用者をあえて「罰しない」驚きの改革の効果

芸能界やスポーツ界をはじめ、著名な人たちが違法な薬物で逮捕されると、連日連夜各マスメディアがニュースとして報じる。
そうした場面で、薬物使用はその人たちの「意思の弱さ」によるものであり、同時に「凶悪な犯罪」として報道されがちだ。

そのため「薬物を使用する人」=「犯罪者」というイメージを持つ人が多いのではないだろうか。
実際、日本ではそうしたイメージもあり、薬物使用については刑事司法を中心とした取り締まりを行っている。

つまり、薬物の使用や所持が発覚した場合には、逮捕し、処罰するということだ。
当然のことだと思われるかもしれない。

しかし、世界に目を向ければ、むしろ厳罰に依拠した依存症対策は主流ではない。
ヨーロッパを中心とした国々では、「ハーム・リダクション(害悪の軽減)」と呼ばれる手法が薬物政策の中心を占める。

ハーム・リダクションとは、薬物使用などを厳罰の対象とせずに行う対策である。
肝炎やHIVの罹患が進まないように注射針を配ったり、生活の場面で困っている問題を解決し、薬物使用者がソーシャル・ワーカーや病院、保健所などに相談しやすい環境をつくることで、社会全体からその害悪を減少させようとする。

そうした政策を導入している代表的な国が、ポルトガルである。
この国は、2001年からほとんどの薬物の所持を非刑罰化、つまり罰しないことにしている。

日本人の目からすれば、薬物所持や使用が罰せられないというのは驚きかもしれない。
しかし、ポルトガルではこの政策を導入してから、薬物の問題使用の件数が減っているのだ。

筆者はポルトガルに2度滞在し調査を行った。
そこから得られた情報を元に「薬物依存対策を刑事司法に依存しない」方法をご紹介したい。

■すぐに「コミッション」が対応する

ポルトガルの薬物所持に対する法的な枠組みができたのは2000年である。
2001年7月から施行されたこの法律では、自己使用目的の少量所持や使用は特別な対処をすることが規定されている。

所持量によって営利目的かどうかが疑われる事案もあるために端緒として警察が関わることが予定されているが、すぐに法律家、医療関係者(ナースがメインで医者ではない)そしてソーシャル・ワーカーが中心となった「コミッション」というところに行くように促される。
コミッションに行くように指示されて行かなかった場合に少量の罰金が言い渡される可能性は残されているが、コミッションに相談に行かなかったとしても、ただ怠惰が原因で行かなかったのではなく、コミッションの基準により薬物依存の影響で行かなかったと認められた場合には不問とされる。

このコミッションでは、対象となった人が必要とする「社会保障の問題」の解決に当たることが優先されている。
つまり、薬物使用の根本原因となっている貧困や生活環境の悪化などに対処し、彼らが生活の立て直しを図れるよう、必要な支援が得られる団体へと橋渡しをするのである。

一般的に薬物依存への介入というと、もっぱら医療行為がイメージされるだろう。
しかし、ポルトガルにおいては、医療行為は医療的治療を必要としている人への支援であるとしか認識されない。

むしろ最も大事にされているのは、住居や食事の問題などを始め、生活の土台や教育環境を安定させる支援をソーシャル・ワーカーが中心となって行うことである。
筆者は、ポルトガルの厚生労働省に当たる保健局から公認を受けて支援を行っている「依存症に伴う行動および依存状態への介入に対する総合的な管理局:SICAD」やIN-Mouraria(リスボン)、NGO団体のAPDES(ポルト)を訪問した。

IN-Mourariaは、HIVや肝炎の予防活動を中心に支援を行っており、APDESは薬物問題に限らず地域社会の発展のための課題や施策を打ち出し、政府に提言を行っている団体である。
とくに、IN-MourariaやAPDESでは、事務所に相談窓口やスタッフを配置するだけでなく、ストリートにも積極的に赴き、綺麗な注射器や水、消毒液やコンドームなどのセットを配り歩く。

※続きは下記のリンク先でご覧ください。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180902-00057166-gendaibiz-bus_all

★1:2018/09/04(火) 10:19:18.45
https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1536126559/