ゲームを楽しむ参加者
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 宮崎県延岡市鹿狩瀬(かがせ)町の高平山(407メートル)の中腹に2日、敵味方に分かれてエアガンを撃ち合う「サバイバルゲーム」のフィールドがオープンした。山を管理する岡富山施業森林組合(405世帯)が遊び場として有料で開放し、収益を森林の維持に役立てる。組合長の佐々木安彦さん(75)は「九州各地から若者が来て、遊んでもらえれば」と期待している。

 組合員は高齢化が進んでおり、間伐や草刈り、植林などの作業を外注している。その費用を捻出するために、山の自然を生かしたサバイバルゲーム場の構想が持ち上がり、1年程前から整備を進めていた。

 フィールドは「フォートレスト」と名付けた。地形を生かした広さ2・7ヘクタールで、高低差約50メートル。雑木林を切り開いて小道を設け、佐々木さんの孫の友人でゲームに詳しい会社員(18)(大分県国東市)らが木製バリケードなどを配置した。事務所やトイレ、約40台分の駐車場も備えた。整備費は約400万円。

 サバイバルゲームは一般的に2チームに分かれ、エアガンを撃ち合う。弾が当たった参加者は離脱し、相手の陣地から旗を奪い取ったチームが勝ちとなる。弾は数年で土になる「バイオ弾」を使用する。

 初日の2日は九州各地から男女約60人が参加。迷彩服やゴーグルを着用し、林の中を走り回ってゲームを堪能した。オープンの式典に出席した読谷山洋司市長は「課題を抱える森林管理の手本になる素晴らしいアイデア。市としても全国に情報発信したい」と語った。

 フォートレスト店長の小野寿雄さん(45)は「大規模で起伏に富み、開放感もある遊び場。西日本一に育て上げ、ゲームを広めていきたい」と意欲を述べた。

 組合は2、3か月間利用状況を調べ、売り上げ目標を設定する計画。キャンプ場や頂上付近を2〜3時間歩くトレッキングコースの整備も検討している。佐々木さんは「サバイバルゲームを活用して、先祖代々から受け継いだ山を守り、次の世代に引き渡したい」と話した。

 営業は土日曜日と祝日の午前9時〜午後5時。料金(1日)は男性の18歳以上2000円、18歳未満と女性は1000円。平日は貸し切り利用を受け付ける。問い合わせはフォートレストへ。(小川哲雄)

読売新聞 2018年09月07日 09時54分
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