収穫期を迎えた鳥取県内の梨や柿の果樹園に害虫のカメムシが大量発生している。8月下旬に確認された個体数は平年比で3倍超となり、今後も多発する恐れがあるという。県は9月としては28年ぶりに「病害虫発生予察注意報」を出し、農家に対策を急ぐよう呼び掛けている。【園部仁史】

 県病害虫防除所によると、確認されているのは「チャバネアオカメムシ」「クサギカメムシ」「ツヤアオカメムシ」の主に3種類。いずれも通常は山林に生息しているが、エサとなるスギやヒノキの実が少なくなる夏、果樹園の梨や柿を狙って飛来する。果汁を吸って実を変形させたり、落果させたりする被害を与えるという。

 平年であれば飛来数は7〜8月にピークを迎え、その後は減少する。だが、今年は、スギやヒノキの実の育ちが良く昨年の大繁殖で幼虫も多かったことなどから大発生。同防除所による県東・中部4か所での定点調査で、8月下旬に確認された3種類のカメムシは5367匹で、過去10年間の同時期の平年値を比べても3倍以上となったことが分かった。

 さらに、今年9月の気温は平年よりやや高い傾向で、カメムシが活発に活動しやすい気候だ。これからも熟した梨(収穫は10月下旬まで)や柿(同11月下旬まで)への影響が続くことが懸念されている。

 カメムシはフェロモンを分泌して仲間を呼び寄せる習性を持ち、被害を抑えるには早期発見と早期防除が重要となる。農家にはこまめに園内を見回るなどの対策が欠かせず、ホームセンターで販売する薬剤の散布なども有効だという。

 同防除所は「カメムシの増加が収穫期と重なると、例年より被害は大きくなる。農家のみなさんは『近くでは発生していないか』などとお互いに情報を交換しながら、被害防止に努めてほしい」と注意を呼び掛けている。

9/28(金) 9:43
毎日新聞
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