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【ワシントン=鳳山太成】米商務省が5日発表した8月のモノの貿易統計(通関ベース、季節調整済み)によると、中国への輸出は97億7600万ドル(約1兆1千億円)と前月に比べて11.3%減った。輸出の減少は2カ月連続で、減少率は7月(8.2%)より広がった。中国が7月から報復関税を課す大豆が落ち込んだ。輸入も2.1%減って米中貿易戦争の影響が広がった。

対中貿易赤字は344億2100万ドルと0.8%拡大した。1〜8月の対中赤字は2679億5500万ドルと前年同期比9.1%増えた。トランプ米大統領は対中貿易赤字の削減を狙うが、実態は逆に過去最高となった2017年通年を上回るペースで推移する。

米国の全体の貿易赤字額は754億5600万ドルで前月比4.7%拡大し、6カ月ぶりの高水準となった。輸出は1.3%減の1384億2200万ドルだった。米国の鉄鋼・アルミニウム関税に対する欧州やカナダ、メキシコなどの報復関税も輸出に逆風となったようだ。内需は強く、輸入が2138億7800万ドルと0.8%増えた。

品目別で最も輸出の減少幅が大きかったのが大豆で、25億8100万ドルと28.2%減った。大豆は中国が報復関税を発動する前の5〜6月に駆け込み需要で大幅に伸びたが、7月以降にマイナスに転じた。同じく報復関税の対象となった自動車の対中輸出も振るわなかった。
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