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比恵・那珂遺跡群
IB期に,筑前の他の地域に先駆けて庄内甕が受容され,在地模倣生産が直ちに開始される。この
段階で庄内甕と共伴する在地の長胴甕は,底部が丸底化していない。該当する資料は比恵36次調査
SDO1溝下層[czr−23],比恵7次調査SE16井戸[czr−19],那珂12次調査第1号井戸[czr−25],那珂
20次SE37井戸[czr−26],那珂21次SC71住居[czr−25]で出土している。比恵7次SE16井戸では,
庄内甕と吉備の下田所式の甕が共伴している。那珂12次調査第1号井戸では,報告された甕7点の
内,2点が庄内大和型甕 3点はそれを在地で模倣した上,胴部外面にハケメ調整を施したものであ
る。那珂20次SE37井戸では,報告の4点の甕の内1点が庄内大和型甕であった。

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筑前地域のまとめ
IA期に伝統的V様式甕, IB期に庄内甕, IIA期に布留甕が,大和と同じ順序で導入される。

比恵・那珂遺跡群と三雲遺跡は,付近の前期前方後円墳の存在も考慮に
入れると,大和の最高首長との交流を背景にもたらされたと考えたい。

なお、久住編年IB期とはだいたい3世紀前半の第2世半世紀あたりの時期
久住氏は238年〜247年を含む3世紀前半という見解を示している
この久住編年が北部九州の年代観のスタンダードになってるから佐々木氏も久住編年で論文を書いたと思われる