大麻に手を染める若者が増えている。
平成30年1〜6月に全国で大麻事件で摘発された20歳未満の少年は、前年同期比で42人増の198人。

なかでも大阪府は全国最多の51人(同30人増)だった。
若者の「大麻汚染」は、近年流行した危険ドラッグへの規制強化で、逆に従来通りの規制を続ける大麻への移行が進んでいるためとみられる。

大麻はソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などで比較的簡単に入手できるといい、より強い刺激を求め、覚醒剤の使用につながることから、「ゲートウェイ(入り口)ドラッグ」ともされる。
なぜ、大阪の若者の摘発が多いのか。

■制服姿で喫煙、ズボンから大麻発見

「最初はまずいと思った」「友人から話を聞いて、興味本位で始めた」
今年3月、大麻を所持したとして、大阪府警に逮捕された府立高3年の男子生徒(17)は調べに対し、こう供述したという。

府警によると、2月1日昼、大阪市内のコンビニエンスストア前で、学生服姿の少年3人が喫煙していたところを、府警の警察官が発見した。
「平日の昼間に制服姿で喫煙しているのはおかしい」と思い、声をかけると、府立高3年の男子生徒(17)が逃走。

追いかけて所持品を検査すると、学生服のズボンの下のスエットからポリ袋に入れた大麻とガラスパイプがみつかった。
府警は任意で捜査を続け、3月7日、大麻取締法違反(所持)容疑で逮捕した。

「(中学や高校の同級生から)約1グラムを3500〜4500円で買った」
男子生徒の供述などをもとに、府警は、同級生の別の男子生徒(18)と内装工の少年(18)を同容疑(譲渡)で逮捕した。

■同級生間で気軽に売買

府警によると、男子生徒が大麻に手を出したきっかけはこうだ。
「一回吸ってみいひんか?」

29年7月、大阪市内で一緒にいた同級生(18)から誘われた。
「まずいと思ったが、うまそうに吸う姿をみて、どういう気分になるのか気になった」。

吸ってみると、自分の意志と関係なく楽しい気分になり、次第にはまってしまったという。
男子生徒は、インターネットでガラスパイプを購入し、同級生らから大麻を買うようになった。

無料通話アプリ「LINE」で、「1個ほしい」と伝えると、歩道上や公園で受け取った。
LINE上では「大麻」などの単語は使わず、会話でも「ハッパ」「ミドリ」と隠語を使った。
1グラム3500〜4500円程度と手を出しやすい金額だったのもあり、男子生徒は「(少年2人から)計10回くらい買った」と供述したという。

一方、同級生ら2人は、地元の先輩の会社員(22)ら男3人=同法違反(譲渡、営利目的共同栽培)などで逮捕=から、それぞれ購入していた。
男らは、自宅マンションで大麻の栽培も行っていたといい、「栽培方法はインターネットで調べた」などと供述。
育てた大麻を男子生徒らに売りさばいていたという。

捜査幹部は「少年らはもともとたばこを吸っていたため、大麻を吸うことへの抵抗感も低かったのだろう。
地元の先輩後輩という関係なので、欲しくなればSNSですぐに頼むことができるし、安価なので、手を出しやすかったのだろう」と分析する。

■警察が高校で指導

警察庁によると、平成29年に大麻の密売や所持で摘発されたのは、過去最多の3008人で、そのうち20歳未満が297人(うち高校生53人、中学生2人)。
今年1〜6月の間で既に、1700人が摘発され、そのうち20歳未満が198人(高校生34人、中学生1人)と昨年を上回るペースだ。

なかでも大阪府警は、今年1〜6月の未成年の摘発が51人(高校生10人)で全国最多なうえ、これまで最多だった22年の42人を上回るハイペースだ。
府警幹部は「過去にはシンナーや危険ドラッグがはやっており、薬物には『流行の波』のようなものがあるが、大麻は常に一定数の摘発があった。危険ドラッグの規制強化で大麻に移行したのだろうが、それにしても摘発数が多い」とため息をつく。

昔から、兄弟や先輩など、近しい人から誘われたのをきっかけに大麻に手を出すという形がほとんどというが、
「最近はインターネットで簡単に情報が入手できるため、これまで以上に子供たちが大麻に触れる機会が多い。大麻をきっかけに、覚醒剤などに手を出す危険性もあり、早急な対策が必要だ」と危機感を募らせる。

※続きはソースでご覧ください。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181105-00000518-san-soci