「トラックドライバーが一般ドライバーに知っておいてほしい“トラックの裏事情”」をテーマに紹介している本シリーズ。
前回からは、さらに「トラックドライバーが指摘されるマナー」にフォーカスして紹介しているが、
今回は、前回の「彼らが車間を詰めてしまう理由」に引き続き、「トラックを路上に停めて休んでいる理由」を解説していこうと思う。

誰もが一度は「路上に駐停車しているトラック」を目撃したことがあるだろう。

身近なところだと、宅配便のトラックがある。2006年、集荷や集配のための一時的な路上駐車であっても、即刻駐車違反となる「改正道路交通法」が施行され、
各宅配業者は対応に追われた(ルート配送のトラックの実情については、以前の記事にも詳細を述べているため、そちらを参照してほしい)。

一方、朝の通勤ラッシュ時に、道路を塞ぐようにして停まっているトラックや、時には長い列を成し、ハンドルに足を上げて寝そべるドライバーたちの姿を目撃することもある。
こうしたトラックは、一般車からすれば邪魔でしかなく、「よりによってなんでこんなところでサボっているんだ」とイライラしたことがある人も少なくないはずだ。

が、彼らは、決してサボっているわけではないのである。

◆トラック運転手を縛るさまざまな「ルール」

これまでにも述べてきたように、トラックドライバーの仕事は、「トラックの運転」だけではない。
彼らには、「荷物を安全・確実・定時に搬入する」という任務もあり、存在意義からすると、むしろ後者のほうこそ彼らの本職だといえる。
それゆえ、遅れて現場に到着すること、いわゆる「延着」は、彼らがトラックドライバーとして仕事をするうえで「事故」の次に犯してはならない失態で、最も恥ずべき行為の1つだ。
場合によっては「荷崩れ」と同じように、高額な損害賠償の対象にさえなる。

が、以前「彼らがノロノロ運転をする理由」でも述べたように、大型トラックには現在、スピードリミッターの装着が義務付けられており、どんなにアクセルを踏み込んでも、物理的に時速90kmまでしか出せなくなっている。
また、トラック業界の労働基準法である「改善基準」により、4時間の連続走行で30分の休憩が義務付けられていて、たとえ時間がなくても、どこかで休憩を取らねばならないのが現状だ。

雪が降ろうが台風が来ようが、彼らには関係ない。渋滞や交通規制をかいくぐり、時には仲間と情報を共有し合いながら、指定時間を必死に守るのである。

一方、こうした「延着」の反義語として、「早着」という言葉がある。意味もまたその逆で、
「指定された時間よりも早く現場に入る」ことなのだが、トラックの世界において、この「早着」も同じくやってはいけない行為であることは、世間にはあまり知られていない。

早着がNGだとされる理由は、「搬入先の都合」であることがほとんどだ。

現場が1日の作業を円滑に行えるよう、トラックによる搬入は、「朝一番」に集中することが多いのだが、その際、早く到着しても、その搬入先が業務を開始していなければ、もちろん構内へ入ることはできない。

さらに、搬入先では、これも「円滑な作業のためだ」と、各トラックを受け入れる順番を細かく決めていることがほとんどで、前のトラックの作業が終わるまでは、構内にすら入れてもらえないことも少なくない。

“搬入先の都合”はそれだけではない。時に「1分単位」で搬入時間を指定してくる彼らは、「近隣住人への配慮」などから、トラックに「現場近くでの待機」をも禁止する。

さらに、その細かい指定時間を守って現場に到着したとしても、構内の作業が遅れれば、その分、後に続くトラックの待機時間も長くなり、結果的に彼らはその間、完全に居場所を失うことになるのだ。

http://news.livedoor.com/article/detail/15578313/
2018年11月11日 8時33分 HARBOR BUSINESS Online

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