【歴史】数字で振り返る第1次世界大戦



数字で振り返る第1次世界大戦

フランス東部にある第1次世界大戦で亡くなったフランスとドイツの兵士の墓地(2017年11月10日撮影、資料写真)。(c)Patrick SEEGER / POOL / AFP
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第1次世界大戦中、ガスマスクを着けるフランス軍兵士の写真が刷られた絵はがき。ペロンヌ第1次世界大戦記念館提供(撮影日不明、資料写真)。(c)Historial de Peronne / AFP
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2018年11月10日 15:00 発信地:パリ/フランス [ フランス ヨーロッパ ]
http://www.afpbb.com/articles/-/3196173

【11月10日 AFP】1914〜18年に繰り広げられた第1次世界大戦(World War I)は、無数の死者と負傷者、そして遺族を出した。おびただしいほどの犠牲者数は、第1次世界大戦の規模と恐怖をくっきりと浮かび上がらせる。

 戦争は52か月に及んだ。この間のデータは信頼性を欠くところがあり、そのため歴史学者らが提示する数値には大きなばらつきがみられる。

 AFPは第1次世界大戦に関する最も一般的な数字をまとめ、諸説により数字が大きく異なる場合は推測値を提示した。

■70か国以上が参戦

 この数字でさえ、確定することが難しい。第1次世界大戦はオーストリア・ハンガリー、英国、フランス、ドイツ、ロシア、オスマンという六つの帝国とその植民地が中心となり、現在の国にして70か国以上が巻き込まれた。

 戦争が勃発した1914年に参戦した独立国は12か国で、残りの国は後から戦争に加わった。イタリアの参戦は1915年、米国は1917年だった。

 参戦国の人口は合わせて8億人以上で、これは当時の世界人口の半数以上だった。

 戦闘に加わらず中立を保ったのは20か国程度で、その多くは中南米、欧州北部の国々だった。

■兵士7000万人

 当初、動員された兵士の数は約2000万人だったが、戦争が長引くにつれその数が膨れ上がり、7000万人にまで拡大した。うち、フランス800万人、ドイツ1300万人、オーストリア・ハンガリー900万人、イタリア600万人、米国400万人だった。英国はインドを中心に植民地からも動員し、計900万人を派兵した。

■兵士の犠牲者1000万人

 一般的に知られている内訳は下記の通り。

−ロシア:死者200万人、負傷者500万人

−ドイツ:死者200万人、負傷者420万人

−フランス:死者140万人、負傷者420万人

−オーストリア・ハンガリー:死者140万人、負傷者360万人

−大英帝国:死者96万人、負傷者200万人

−イタリア:死者60万人、負傷者100万人

−オスマン帝国:死者80万人

−米国:死者11万7000人

■化学兵器の使用

 ドイツは1915年、ベルギーのイーペル(Ypres)の戦いで、塩素ガスを使用した。化学兵器が大規模に使われたのはこれが初めてだった。大戦中の毒ガスによる死者は、最終的に2万人に達した。

■市民の犠牲者

 戦争およびその影響によって死亡した民間人は、500万〜1000万人とみられているが、正確な数字を求めるのは難しい。

 これらの犠牲者には一般的に、実際の戦闘、強制移住、飢饉の死者に加え、第1次世界大戦に続くロシアや東欧、トルコでの紛争の死者も含まれている。

■その他の数字

−戦争捕虜600万人。

−1915年までに、ドイツ、オーストリア・ハンガリー、ブルガリアの占領下で暮らす市民の数は約2000万人となった。その大部分は、ベルギー、フランス、ポーランド、セルビアの市民だった。

−欧州全土の難民1000万人。

−夫を亡くした女性300万人、孤児600万人。

−戦争中に使用された砲弾は約13億発。

−前線の兵士と国の家族との間で交わされた手紙と小包の数は約100億。 (c)AFP/ Laurent Maillard


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