北京、今冬最悪の大気汚染=米中摩擦も要因?
時事通信(2018/11/14-16:47)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018111400917

 【北京時事】中国・北京市は14日、今冬最悪の大気汚染に見舞われた。微小粒子状物質PM2.5の濃度は一時、1立方メートル当たり300マイクログラム超と、中国の環境基準の約9倍に到達。幼稚園や小中学校で体育など屋外活動が禁止されたほか、多くの高速道路が視界不良のため閉鎖された。

 中国環境科学研究院の担当者は現地メディアに対し「風が弱く、湿度も高いなど悪条件が重なった」と解説。北京など北部で、各家庭などへの公的な暖房供給が15日からの正式開始を前に始まっていることも要因との見方を示した。

 北京周辺の大気は昨年冬、暖房燃料のガス化や石炭の使用禁止、工場の減産などにより急激に改善した。しかし、中国政府が今年9月に示した冬のPM2.5削減目標は前年実績を大幅に下回る3%減。汚染源の企業に対する減産数値目標も見送った。専門家からは「米中貿易摩擦に伴う景気減速に配慮したのではないか」との見方も出ている。(2018/11/14-16:47)