医師免許なく客にタトゥーを入れたとして医師法違反の罪に問われ、一審・大阪地裁で罰金15万円の有罪判決を受けた男性彫り師の控訴審の判決公判が11月14日、大阪高裁で開かれた。

西田真基裁判長は一審判決を破棄し、無罪判決を言い渡した。

「タトゥーは芸術」訴え
無罪判決を受けたのは、大阪府吹田市の彫り師、増田太輝被告(30)。客3人に無免許でタトゥーを入れたとして、2015年に略式起訴された。

医師法17条は「医師でなければ、医業をなしてはならない」と定めており、違反すれば3年以下の懲役か100万円以下の罰金、もしくはその両方が科される。

増田被告は「タトゥーは芸術」と医師法による摘発に異議を唱え、簡易裁判所からの罰金30万円の略式命令を拒否。正式裁判で無罪を訴える異例の法廷闘争を展開していた。

地裁判決は「タトゥー施術=医行為」
一審判決は医行為を「医師でなければ保健衛生上危害を生ずるおそれのある行為」と定義し、タトゥー施術が「医行為」にあたるとした。

弁護側は控訴審で、医師法制定当時の国会答弁や学説では医行為が「疾病の診断・治療・投薬」など、医療と関連するものとして捉えられてきたと反論。

一審判決の定義だけでは、理容師の顔そりやネイルアート、まつげエクステなども「保健衛生上危害を生ずるおそれのある行為」に該当してしまうとして、「医療行」の要件として「医療関連性」が必要だと訴えた。

一方の検察側は一審判決の定義づけを改めて支持。「何が疾病で何が治療かは医学が日進月歩なので固定的に観念をなし得ない」という医師法制定時の政府答弁を根拠に、医療関連性の必要性を否定していた。

高裁は「医療関連性なし」
高裁判決は弁護側が主張した「医療関連性」の必要性を認めたうえで、タトゥーを入れる行為には医療関連性がなく、「医行為に該当しない」と結論づけた。

タトゥー施術に必要な知識は医師に求められるほど高度・広範なものではなく、「限られた基本的なもので足りる」と指摘した。

タトゥーの文化的・歴史的な価値も評価。医師だけしかタトゥーを入れられないとすると、事実上の禁止に近い制約となり、憲法に定められた「職業選択の自由を侵害するおそれがある」とした。

医師法で規制しない場合、タトゥーに関する規制は存在しないことになるが、医師法を拡張するのではなく、彫り師業界の自主規制や立法上の措置をとる――といった対処が相当だと述べた。
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