千葉県印西市の老人ホームで2017年に起きた、同僚に睡眠導入剤入りの飲み物を飲ませ交通事故を起こさせるなどして男女6人が殺傷された事件。元職員で准看護師の波田野愛子被告(72)に懲役24年(求刑・懲役30年)の実刑が言い渡された千葉地裁判決を受けて、被害者の山岡恵子さん(当時60歳)の次男(37)は4日、千葉市内で記者会見に臨んだ。波田野被告について「公判を通して涙の一つもこぼすことはなかった。反省している様子は見られなかった」と憤り、判決について「短いと思う。無期懲役を望んでいる」と述べた。

 次男は当時、山岡さんと同じ老人ホームで働き、自身も睡眠導入剤を飲まされた可能性があるという。山岡さんが死亡事故を起こした昨年2月5日には、睡眠導入剤の影響とみられる症状が出たため勤務を代わってもらったといい、「自分が出勤していれば母が死ぬことはなかった」と後悔し続けてきた。

 公判にはできる限り足を運んだ。山岡さんの死が睡眠導入剤によるものと判決で認定されたことについて「ようやく一区切りがついた。母に正式な報告ができる」と受け止めた。一方、「後悔、反省している」と繰り返しつつ殺意を否定した波田野被告に対し、「謝罪の思いが形に表れたことはなかった」と厳しい言葉を投げかけた。【秋丸生帆】
毎日新聞
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