カンダタは、クモの糸をひとりじめにしたのがいけないということを作者はいいたかったかどうかは、定かではないが、カンダタが、怒鳴った、そのすぐあとに、クモの糸が切れたのが象徴的だ。

そこで、カンダタは考えた。

糸を切る。
自分の登り終わった後の糸を冷静に切れば良かったといえば、そのとおりだろう。これが、一番、合理的な選択だろうな。

仲間を連れていく。
ほとけ様が、もっと丈夫なクモの糸をよこせばよいのだ。ひとりで、見知らぬ天国などへ行くのも実は不安だ。悪事をなすにも、仲間がいるように、見知らぬ土地へ行くのにも、利用できる仲間がいるのだ。