国産の鶏モモ肉相場が軟調だ。例年なら冬本番となり相場は大きく上げる時期だが、先週までの暖冬で鍋物向けの販売が不調で、11月後半から相場の上げ幅が小さい。気象の影響は豚肉にも及んでいる。今週から寒気が強まり、スーパーは鍋物向けに鶏・豚肉を販促するが、流通業者が在庫を抱えているため「値動きは小幅」(東京都内の流通業者)の見込みだ。

 農水省によると、直近の10日のモモ肉相場は東京地区で、前年同期比4%安の1キロ621円だった。今年は供給増から年間を通して前年割れで推移している。特に11月からの相場が振るわず、前年との差が開いてきた。11月初旬は同2%安だった。

 11月下旬と12月初旬に2度、相場は一時的に反発したが、それ以外は軟調に推移。先週までの温暖な気候の影響で、冬場の主力メニューである鍋物向けの需要が鈍い。東京都内の流通業者は「荷余り感が強い」と話す。流通業者は冷凍した上で、在庫に回しているという。

 都内の中堅スーパーは「鍋物商材が売れず、食肉の中で国産鶏モモ肉の売れ行きが最も悪い」と明かす。

 今後、年末年始用の仕入れが来週まで続くという。流通業者は「鍋物需要が動くと見込んで仕入れる」というが、相場上昇への影響は小さそうだ。

 他畜種の販売も苦戦している。東京食肉市場の豚枝肉相場は、12日の上物が1キロ466円。前年同期を15%下回っている。都内のスーパーは「しゃぶしゃぶ用バラの引き合いが弱い」と話す。例年の冬場は鍋物向けのバラが不足するが、今年は「荷余り感があり仕入れを抑えている」という。

2018年12月13日
日本農業新聞
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