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 2027年のリニア中央新幹線開業に向け、名古屋市が取り組む名古屋駅再整備計画の概要が、関係者への取材で明らかになった。東口のモニュメントを撤去して道路の形状を改良するなどして広場を拡張し、駅から街中の見通しや歩行者用の移動空間を確保する。各交通機関の乗り場が分散し「迷駅」とも揶揄(やゆ)される駅を乗り換えがしやすく、街への人の流れもスムーズな拠点へ整備し直す。市は19年度の都市計画決定を目指す。

 計画では東口にあるモニュメント「飛翔(ひしょう)」を撤去し、中央コンコースからモニュメント跡地までの充実した広場空間を確保。乗り換え先を一目で理解でき、エレベーターなどで上下移動も円滑な乗り換え空間「ターミナルスクエア」を中央と北と南の3カ所に整備する。歩行者は中央コンコースから東に向かえば、まっすぐに地下街や地下鉄東山線に向かうことができる。

 現在は混合しているタクシーと一般車の乗降場を分けて、タクシーは北側、一般車は南側に整備し、車両の混雑を緩和する。駅前の南北道路と桜通は丁字形に接しているが、現状のロータリー構造ではなく、三差路に造り替える。歩行者用の空間と、車の通行場所を分けることで安全性の向上を目指す。

 一方、市は名駅西口と高速道路のアクセス向上を目指し、名古屋高速道路の黄金インターチェンジ(IC)出口から駅西口に続く一般道の地下にアクセス道路の整備も検討する。

 計画では、現在は西向きの出入り口しかない黄金ICに東向きの出入り口を増設。一般道の大須通から椿町線に入って北上し、1キロ弱の地下道路を通って名駅西口に接続する。車両は地上と地下の二つの道路を利用できるようになり、利便性が高まるほか、災害時などの代替道路も確保したい考え