公衆電話にできた、順番待ちの列。さらに…。

街の人:
「アンテナ立ってないですね…」

12月6日の午後、ソフトバンク、ワイモバイルなどの携帯電話が一斉に“圏外”に!3000万件以上に上る全国規模の通信障害で、街は大混乱に陥りました。

大阪から東京にきた女性:
「道が分からないんですよ。海外に来た感じですね、日本じゃないですここは…」

4時間半にわたりスマートフォンが使えなくなってしまった今回のトラブルに、街の人は…?

ソフトバンクユーザー:
「はいはいはいはい、超ソフトバンクです!ドコモ、auと日本の三大メーカーなんでね。しっかりしてもらいたいと思います。今は大丈夫です!ビンビンです!」

※省略

これって、ソフトバンクの責任になるのでしょうか…。

auユーザー:
「責任は取らんでええんちゃう!?スウェーデンの会社が悪かったんやろ?それやったら、その会社がソフトバンクにアレせんとあかんのちゃう?もし、ソフトバンクが補償するとしたら、次の料金で少しまけるとか何らかの補償はあってええんちゃう?」

ソフトバンクユーザー:
「個人は『ソフトバンクを選べ』と誰かが言ったわけではないから、個人電話の場合は難しいかな。法人契約なら少なくとも損害賠償起こしてもアリなのかな」

今回の通信障害を国は“重大事故”にあたると判断しましたが、スマホが使えないことで起きたトラブルは、賠償してもらえるのでしょうか?菊地幸夫弁護士に伺います。

菊地弁護士:
「補償対象は通信料金のみで“それ以外”は対象外だと思われます。『約款』の壁が高いんです。

 普通に考えれば、何か損害があったらそれの原因を作った、落ち度があった人が賠償するというのが法律のルールです。ところが、契約でそれは変更が可能なんですね。それがどうなっているかというのが『約款』です。

 携帯電話を申し込む時に利用者の方はソフトバンクとの間で約束をしてるんですね。その約款は条文がたくさんあって見ていないという方もいらっしゃると思いますが、その中に要約すると次の主旨のことが書いてあります。

『自社のミスで完全に利用できない状態が連続24時間以上続いたら、利用料金に限り日割りで補償します』

 これによりますと、「つながりにくい」とか「音がちょっと聞こえない」とかでは補償の対象とならず、完全にダメでなくてはなりません。そしてそれが『連続24時間以上続いた場合』ですから今回の4時間半では対象外です。しかもそれらを満たしていたとしても、『利用料金に限り日割りで補償』と書かれているんです」

Q.例えば丸1日利用できない場合で、月額の30分の1くらいの補償になると…?

菊地弁護士:
「それぐらいが上限なんです」

Q.実際に約款に書いてあったとしてもそこまで細かいところを読まない方が多いと思うのですが、そんな契約はアリなんでしょうか?

菊地弁護士:
「民法420条で、損害賠償の上限範囲をあらかじめ決めてもOKということになっています。例えば電車が遅延した場合、『それで商売がとんでしまった』ということもあるかもしれません。しかし鉄道会社の約款には『到達時間はあくまでも保証するものではありません』というような、遅延の補償はしないという主旨のことが書いてあるんです」

Q.その約款はどうしたら見ることができるんですか?

菊地弁護士:
「鉄道会社のHPなどで見ることができます。普通は見ないというだけです。ちなみに私たちは駅の改札を通った時点で、鉄道会社と契約したということになりますので、その約款も了承したと見なされます。電気もガスも水道も、みんなそうなんです」

Q.そうは言っても約款はなかなか読まないですし、鉄道会社の場合ですと、約款が駅に貼ってあるわけでもありません。企業側は約款を利用者のためにどのようにしておかなければならないのか、ルールはないんでしょうか?

菊地弁護士:
「見ようと思った人がいつでも見られるような状態にしておいてください、ということになっています」

12/16(日) 8:03
関西テレビ
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181216-00010000-kantele-soci
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