NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は21日、あらゆるモノがネットにつながるIoTの通信サービスを提供する仏トランザテルを買収すると発表した。買収金額は200億円弱になる見込み。NTTコムはトランザテルの持つ通信基盤を活用し海外のIoT通信サービスを強化する。

NTTコムがトランザテルを子会社化することで両社が合意した。NTTコムは、2019年3月末までの買収完了を目指す。最終的にトランザテルを完全子会社としたい意向だ。

トランザテルは2000年の設立。当初は携帯電話大手から設備を借りて携帯電話サービスを展開する「MVNO(仮想移動体通信事業者)」向けに、支援サービスを展開してきた。14年からはIoT通信サービスに参入。世界130カ国・地域でサービスを展開し自動車大手の英ジャガー・ランドローバー(JLR)や大手航空機メーカーなどを顧客に持つという。

NTTコムは17年から世界25カ国で利用できるIoT通信サービス「100円SIM」を提供している。月に利用できるデータ通信量を1メガ(メガは100万)バイトに抑える代わりに、月額100円からの低料金で利用できるサービスだ。

トランザテルのIoT通信サービスは大容量のデータを利用する際にも割安という強みがあるという。NTTコムは買収でIoT通信サービスの競争力を高め、海外事業の強化につなげる。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39261550R21C18A2910M00/