今月22日、長さ1.6キロの小惑星が、地球から290万キロの距離に最接近していたことが、レーダーアンテナによる観測で明らかになった。米航空宇宙局(NASA)によると、「川を泳ぐカバそっくりの形をしている」という。

カバのようにも芋虫のようにも見える不思議な天体は「2003 SD220」。その名のとおり、2003年9月にアリゾナ州の天文台が発見した小惑星で、大きさは少なくとも全長1.6キロ。JR東京駅から新橋駅くらいまでの長さだ。

■ラグビーボールのような複雑な回転

中米プエルトリコのアレシボ天文台が持っている直径305メートルのレーダーアンテナをはじめとする各国の観測施設が、今月15日から17日にかけて、地球に接近する小惑星を追跡。

その結果、22日に地球まで290万キロの距離に近づいて、その後安全に通過していくまでが確認されたという。カリフォルニア州のNASAジェット推進研究所(JPL)の研究チームは「レーダー観測によって、小惑星が12日に一度のペースでゆっくり回転することがわかった」と話している。

その回転は、ラグビーやアメリカンフットボールのような複雑な回転軸を持っていて、地球周辺に存在する小惑星のなかでは非常に珍しい動きだという。

川の中を泳ぐカバそっくりの小惑星(NASA / JPL-Caltech / GSSR / NSF / GBO)
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カバ
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2018年12月25日 16時55分
ハザードラボ
https://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/2/7/27747.html