201X年8月某日の夕暮れ、箱根町を管轄する小田原警察署に1本の通報があった。通報者によ
ると、ドローンのような機械を頭部に装着した男児と青色の不格好なロボット的物体が芦ノ湖上
を浮遊し、ロボットが腹から取り出した容器の液体を湖面にばら撒くと、湖面全体が鏡面のように
変化したという。「宇宙人が湖に毒を撒いた」と興奮する通報者に対して、小田原署員は「あんた
ねぇ、寝ぼけてたの? 西陽が射したから鏡みたいに見えたんでしょ」と取り合うことはなかった。
同日夜半過ぎ、小田原署に芦ノ湖畔からの通報が相次いだ。夜空の彼方から無数の光体が降り
注ぎ、芦ノ湖に吸い込まれていったという・・・