https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201901/20190126_13008.html

仙台塩釜港仙台港区(仙台市宮城野区)に停泊中のコンテナ貨物船から燃料用重油が漏れ出し、
近くの海域でノリを養殖する漁業者が所属する宮城県漁協七ケ浜支所(七ケ浜町)は25日、
商品の安全性が確保できないとして、今季の生産を停止し、養殖施設を撤去することを明らかにした。
被害総額は最大14億円に上る見込みという。

宮城海上保安部によると、重油漏れが起きたのは20日夜。貨物船の男性船長から「船内タンク間での
燃料移し替えの作業中に重油が海に流れ出た」と通報があり、乗組員が吸着マットなどで回収作業に当たった。
 
港湾関係者によると、流出量は約1000リットル。当時は西風が吹き、重油の一部が港湾外に流出したとみられる。
宮城海保は重油の流出量や範囲などを調べている。
 
七ケ浜支所が22日に調査し、ノリや養殖施設に重油が付着していることを確認。貨物船の停泊場所の
北東方向にある菖蒲田浜(七ケ浜町)や松ケ浜(同)の養殖場で被害が大きいという。
 
七ケ浜支所によると、生産停止に伴う被害額は8億円超で、重油が付着した養殖施設の廃棄に4億〜6億円かかる見込み。
コンテナ貨物船を所有する井本商運(神戸市)に補償を求める方針。
 
七ケ浜支所運営委員会の寺沢春彦委員長は25日の報道各社の取材に「これからが最盛期なのに、悲しい出来事だ。
落胆している」と話した。