【3行要約】
・訪日外国人旅行者数と旅行消費額が過去最高を記録
・「お茶をたてたい」「握手会に参加したい」などニーズが細分化
・中国人旅行者を呼び込むには「顔値」が重要!?

訪日外国人旅行者の数は毎年増え、日本政府観光局によると、2018年は過去最高となる約3,119万人が日本に訪れた。国土交通省観光庁の消費動向調査(速報)では、訪日外国人旅行者の2018年の旅行消費額は4兆5,064億円にのぼり、こちらも過去最高を記録。今後の日本の成長戦略の一つの柱となっている。
この旅行消費を支えるのがアジア圏の国々だ。2018年の旅行消費額を国・地域別に見ると、トップ3は中国の1兆5,370億円、韓国の5,842億円、台湾の5,839億円となり、これらの消費額で全体の過半数を超えている。インバウンド戦略において、重視すべき存在と言えるだろう。

「お茶をたてたい」「握手会に参加したい」体験型行動
中国人が「日本に訪れたらしたいこと」を集計したランキングの近年の結果がこちらだ。
近年は、2018年6位の「お茶をたてたい」、16位の「紙漉きをしたい」、30位の「漁に出たい」など、日本の文化や産業を肌で感じられる“体験型”の行動も上位に食い込んでいる。

「日本でしたいこと」のニーズが細分化された
2018年はサブカルチャー関連の回答も多く、9位に「握手会に行きたい」がランクインしたほか、下位には「ミニ四駆大会に出たい」「プロレスを見たい」という回答もあります。
2014、15年は「日本料理を食べたい」が上位ですが、2016年以降は「日本料理を作りたい」もランクインするようになっています。

中国語の「顔値」が高いかどうか
SNSにおける情報発信で注目を集めやすく、なおかつその場所でしかできない体験があることでしょうか。中国ではSNS発信の話になると、撮影対象の「顔値」が高いか低いかということが話題となります。この「顔値」は見栄えの良さを表した中国語です。日本でいう「フォトジェニック」ですね。
今は移転しましたが、築地市場が良い例です。あの施設は業種の分類では、魚介類を販売する卸売業ですが、店主との何気ない会話や狭い通路での試食など、あの場所でしかできない体験が数多くあります。大勢の外国人旅行者が訪れ、SNSで楽しむ様子などを発信しています。

近年では、東京や京都、大阪など「ゴールデンルート」と呼ばれる定番の観光地ではなく、地方に向かう中国人旅行者も多いという。
地域や分野ごとに異なる魅力を把握して、日本ならではの魅力を発信することが、中国人旅行者の満足度向上やリピーター獲得など、他国との差別化につながるのかもしれない。
https://sp.fnn.jp/posts/00414390HDK