毎日新聞 2019年2月5日 19時25分(最終更新 2月5日 19時25分)
https://mainichi.jp/articles/20190205/k00/00m/040/194000c

山口県周南市で2016年に県立高2年の男子生徒(当時17歳)が自殺した問題で、再調査していた第三者でつくる
「県いじめ調査検証委員会」が5日、最終報告書を村岡嗣政(つぐまさ)知事に提出した。
検証委は、同級生らによるいじめに加え、一部教員の言動にも「いじめに類する行為」があったと認定した。
そのうえで、学校側の適切な対応があれば自殺を防げた可能性があったと結論付けた。

 いじめ防止対策推進法では、教員によるいじめを規定していない。
遺族代理人の弁護士によると、教員のいじめが指摘されるのは極めて異例という。

 検証委が、いじめに類すると判断した教員らの行為は、全校生徒の前で名前を呼び周囲が笑ったこと
▽テスト中に「ちゃんとやったんか」と個別に話しかけたこと
▽授業中に不必要に名前を連呼したこと――などの五つの行為。
生徒がツイッターへの投稿などで「嫌だった」と主張していたことから、ストレス要因になったと判断した。

 同級生らのいじめについては、教室閉め出しや無料通信アプリ「LINE(ライン)」でのグループ外しなど18事象を認定。
教員らの行為が同級生らによるいじめを助長した可能性も指摘したうえで、検証委は「『仲間はずれ』など学校生活での多くの要因が自死に大きく影響した」とした。

 生徒は16年7月、周南市の駅構内で貨物列車にはねられ死亡した。
遺族は、県教委の第三者委による17年秋の調査結果が不十分として、県に再調査を要望していた。