秋田市弁護士殺害事件 県への請求認める 仙台高裁秋田支部


 2010年11月、秋田市の弁護士津谷裕貴さん=当時(55)=が
自宅に侵入した男に刺殺された事件で、駆け付けた警察官2人の対応に
不手際があったなどとして、遺族5人が県と男に国家賠償と損害賠償
計約2億2千万円を求めた訴訟の控訴審判決で、仙台高裁秋田支部
(山本剛史裁判長)は13日、県への請求を退けた一審秋田地裁判決を
変更、遺族側の請求を大筋で認め、県と男に計約1億6430万円の
支払いを命じた。

 判決理由で山本裁判長は「適切な行動を取らなかったため、弁護士が
殺害されるに至ったと評価せざるを得ない」と警察官2人の過失を認定した。
現場に駆け付けた際、拳銃を手にもみ合っていた津谷さんと男を識別するため、
何らかの声を発するべきだったのに、怠ったと指摘。侵入者がどちらかを
認識しないまま、真っ先に拳銃を取り上げようとした行動は誤りと断じた。


秋田魁新報(2019年2月13日 19時24分 掲載)
https://www.sakigake.jp/news/article/20190213AK0026/

仙台高裁秋田支部で開かれた弁護士殺害を巡る国家賠償請求訴訟の
控訴審判決(代表撮影)
https://www.sakigake.jp/images/news-entry/20190213ak0026_01_s.jpg