2019年2月25日 5時58分
 高岩寺の節分豆まきは、昨年この世を去った樹木希林をはじめ、萬田久子、和泉元彌といった芸能人がゲストとして豆をまくことでも知られる。ほぼ毎年テレビに映る恒例行事だ。その豆まきが、今年は“中止”になっていた。

〈長年お楽しみいただいたお客様 どうぞご了承くださいませ〉

 1月の下旬から、こうしたお知らせが商店街の各所に貼られたものの、理由は誰にも分からない。訝しがるお婆ちゃんたちを横目に、

「住職と地蔵通り商店街のあいだの長年の確執が、ニッチもサッチもいかなくなった。それが原因ですよ」

「商店街メンバーは『巣鴨地区街づくり協議会』という会を作っています。この会はもともと、商店街と交差する白山通りの拡幅計画にあわせ、街のあり方を考える会でもある。昨年暮れに会が『巣鴨フォーラム』という街づくりの会合を開こうと、案内のチラシを配ったのですが……」

 このチラシが、高岩寺の住職の目に触れた。

住職対商店会
「すると住職は、“事前に話がない。寺をのけ者にするのか”と激怒したのです。この住職は8年ほど前に『巣鴨フォーラム』という言葉を商標登録したこともあり、“その名称は使わせない”とやった。それでフォーラムは中止。協議会の面子は丸潰れとなりました」

「高岩寺の豆まきの主催者は、奉賛会という檀家さんの会。この檀家は商店会の人々、つまり協議会のメンバーと重なるのです。フォーラム中止の一件で、奉賛会で意見が割れました。住職とは口を利かなくても、豆まきはやろう。もう、あの住職とは一緒にやれないから中止だ……。結局は協議会幹部の意向で、止めることに決まったわけです」

 この決定には、根深い感情の対立もあって、

「住職の性格を問題視する人が多いんです。彼は医師で大の嫌煙家。境内が全面禁煙なのは当然で寺の従業員も境内の露天商も煙草NG。寺の近くで吸っていると、写真を撮って嫌がらせしたりしていましたし」

 そんな“有名”住職の寺のそばに、「豆まき決行」の貼り紙が出た。曰く、

〈祈祷法要と袋入福豆の授与のみとなります〉

 住職の母親が、事情を明かしてくれた。

「貼り紙を見て来てくださった方もいます。例年通り、萬田さんや和泉さんご一家、芝田山親方もいらしてくださいました。桟敷は奉賛会が準備するので、今年は桟敷なしです。けれど、お寺の本堂の畳のうえで豆まきをやりましたよ。支援してくれる人も、いるんです」

全文
http://news.livedoor.com/lite/article_detail/16070044/