仙台市教育委員会が作成した教員募集パンフレットで、紹介されている教員8人全員が「超過勤務」ーー。河北新報が3月6日、市議会で市議からこんな指摘があったと報じた。

ネットでは「嘘を書くよりよっぽどいい」「呆れを通り越して笑える」と賛否両論だが、パンフレットでは、教員の長時間労働が「普通」となってしまっている現状があらわになっている。

●休憩が10分間の教員も
市教委の教職員課によると、教員受験者から「1日の働き方の流れを知りたい」といった声があり、教員に聞き取った上で、学校到着から退勤まで1日の流れを記載した。

しかし、掲載されている小中高、特別支援学校の8人の教員の勤務は、いずれも勤務時間が10時間半〜12時間20分。本来の「7時間45分」から大幅に超過している。

例えば、小学校の女性教員は、6時に起床し7時50分に学校に到着。8時50分から授業をはじめ12時25分に給食をとっている。

13時55分からの5、6時限目は他校で授業をし、16時になってようやく休憩30分。16時半からは学級担任と授業の打ち合わせをして、18時から教材研究をはじめ、19時に退勤するという1日が紹介されている。

中学校の男性教員は、6時10分に起床し、学校に7時40分に到着した後、8時50分から1〜4時限目の授業や文書作成をする。給食開始は12時40分。

終わると、13時15分から5〜6時限目が始まり、16時10分から10分間の休憩をとった後、16時20分から18時まで部活動指導をしている。指導終了後、デスクワークをおこない19時30分に退勤している。

教職員課の担当者は「確かに超過勤務になっており、勤務時間外の勤務があることは事実」としながら「実際の現場の声を反映するとこうなった。逆に8時半出勤で17時退勤というのでは、違う情報を載せることになってしまう」と話す。

中教審(中央教育審議会)は1月、「公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドライン」を示し、文科相に答申した。残業時間の上限目安を「原則1カ月で45時間、年間で360時間」と規定しており、仙台市教委も「ガイドラインを受けて、方針を早急に立てていく」としている。

このパンフレットは2020年度の採用向けに作られたもの(選考過程は2019年中)で、今後も使用を続けるという。

●現状ありのまま「誠実」と言えるが…
今回のパンフレットをどうとらえたらいいのか。
全文
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http://news.livedoor.com/lite/article_detail/16172695/