※週末の政治

麻生氏(右)は必勝のハチマキ姿で武内氏を応援する
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 統一地方選の幕開けとなる11道府県知事選が21日告示された(4月7日投開票)。「都構想」を争点にした大阪府知事・市長のダブル選や、与野党激突の北海道知事選に加え、「保守分裂」の福岡県知事選も注目されている。地元選出の麻生太郎副総理兼財務相(78)が現職の小川洋知事(69)に対し、新人の元厚労官僚の武内和久氏(47)をぶつけたのだ。情勢調査では、武内氏の苦戦が伝えられており、結果次第で、麻生氏が求心力を失い、消費税増税にブレーキがかかる可能性もある。

 福岡県政界では、自民党の古賀誠元幹事長(78)や、山崎拓元副総裁(82)など大物OBが、いまだに隠然たる影響力を持つ。安倍晋三政権下では、首相の盟友の麻生氏が実権を握っているが、実は国政選挙の采配という点では「連戦連敗」だ。

 2016年夏の参院選で、民進党新人に、側近の大家敏志氏(51、麻生派)がトップ当選を奪われたのに続き、同年秋には、鳩山邦夫元総務相の死去に伴う衆院福岡6区補欠選挙で、支援した候補が鳩山氏の次男、二郎氏(40、後に二階派)に惨敗した。

 今年に入り、麻生氏は大勝負に出た。先の同補選で麻生氏支援の候補を応援せず、麻生氏との「しこり」が生じた現職の小川氏に、あえて武内氏をぶつけたのだ。

 安倍首相は、麻生氏の直談判を受け、武内氏に党の推薦を出した。だが、巻き返しがかなわなければ、麻生氏はピンチに陥る。

 自民党福岡県連内からは、「安倍首相は『麻生氏には、知事選で火の粉がかからないように…』と思っているようだ。麻生氏も『福岡を、二階派の武田良太氏(50、衆院福岡11区)の王国にはさせない』と、踏ん張るだろう。だが、結果次第では、麻生氏も無傷でいられない。次の衆院選に出ない可能性も出てくるだろう」(関係者)との声が漏れ伝わってきた。

 福岡の選挙結果が、消費税増税にも影響するとの見方もある。

 永田町事情通は「麻生氏は、増税を死守したい財務省の守護者だが、麻生氏の求心力が落ちれば、官邸としては増税すべきか否か、判断する選択肢が広がる。国内景気の落ち込みを受け、財務省に対し『増税を凍結しろ』と押し込みやすくなる。福岡県知事選には大いに着目したい」と語っている。

2019.3.22
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