東芝は11日、撤退を決めている米国での液化天然ガス(LNG)事業について、売却先の中国のガス大手ENNグループが売買契約を解除する意向を伝えてきたと発表した。最大1兆円の損失が生じる恐れがある「負の遺産」の処理は白紙に戻り、経営再建にも影響を与えそうだ。

 同事業の売却をめぐっては、米国の対米外国投資委員会(CFIUS)や中国当局による審査が遅れている。目指していた3月末の売買契約手続きの完了ができず、ENN側は「多大な不確定性が生じている」と説明しているという。米国では、エネルギーなど国家安全保障に関わる事業への中国企業の関与に警戒感が強まっている。

 ENNは10日の取締役会で売買契約の解除を決議したのに続き、29日に開く臨時株主総会に取引中止を諮る。東芝は正式な契約解除通知は受け取っていないとしており、「話し合いを通じて状況把握に努め、LNG事業の今後の取り扱いについて検討していく」との見解を示した。 

4/11(木) 21:03
時事通信
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