21日、神戸市中心部で市営バスが歩行者を次々にはね、2人が死亡、6人がけがをした事故で、ブレーキなどに不具合が見つかっていないことが、捜査関係者への取材で分かりました。警察は逮捕した運転手の操作に問題がなかったか調べています。

22日、神戸市中央区のJR三ノ宮駅前の横断歩道で、市営バスが歩行者を次々にはね、神戸市須磨区のアルバイト、那須勇成さん(23)と、兵庫県明石市の大学3年生、柳井梨緒さん(20)が死亡し、男女6人がけがをしました。

警察によりますと、過失運転致死の疑いで逮捕された運転手の大野二巳雄容疑者(64)は、調べに対し「ブレーキを踏みながら発進準備をしていたら、急発進した」と供述しているということです。

一方、警察のこれまでの調べで、バスが現場の5メートルほど手前のバス停で乗客を降ろしたあと、赤信号を止まらずに遅い速度で進入する様子が、ドライブレコーダーに記録されていたということです。

また、捜査関係者によりますと、バスのブレーキやアクセルなどは正常に作動していて、不具合が見つかっていないということです。

現場には目立ったブレーキの跡も残っていないということで、警察は運転操作に問題がなかったか調べています。

21日の事故を受けて、神戸市交通局は事故を起こしたバスと同じ型のすべての車両について、22日朝の運行前までにブレーキやアクセルの点検をしましたが、異常は見つからなかったということです。

■死亡の柳井さん 女子大の3年生

事故に巻き込まれて亡くなった柳井梨緒さん(20)は、兵庫県尼崎市にある園田学園女子大学の学生でした。

大学によりますと、人間健康学部の3年生で、看護師を目指して勉強に励んでいたということです。

■運輸局が特別監査

神戸市営バスの事故を受け、近畿運輸局は22日、神戸市交通局への特別監査を始めました。

運輸局によりますと、担当者7人が午前10時半に、逮捕されたバスの運転手が所属していた神戸市交通局中央営業所で、特別監査を始めたということです。

そして、運転手の勤務管理や健康状態などを把握するため、書類やパソコンのデータを調べているということです。

■神戸 久元市長「徹底的に原因究明」

市営バスの事故を受けて、神戸市の久元市長は「あってはならない事故を起こしました。お亡くなりになった方、けがをされた方に心からおわび申し上げます」と陳謝しました。

そのうえで、「重大な事故を二度と起こさないため、徹底的に原因を究明していきたい」と述べました。

2019年4月22日 12時07分
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