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(ブルームバーグ): 現在の形での中央銀行はいずれ時代遅れになり、現代金融論(MMT)のような別の仕組みに取って代わられるのは「不可避」だと、世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエーツを創立したレイ・ダリオ氏が論じた。

MMTとは、独立機関としての中央銀行が政策金利の調整を通じて経済を誘導するのではなく、政府が歳出と税制によって経済を運営するという考え方。米国のような基軸通貨を発行する国の破綻はあり得ず、一般に思われている以上に歳出の余地があると論じており、財政赤字や国家債務に対する懸念を和らげる。ただしこれはインフレが抑制されているという条件付きだが、今はその状態にある。

MMTを巡る議論はここ最近で活発になってきた。資産家ウォーレン・バフェット氏やパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長など、金融経済界の有力者から批判の声が相次いでいるが、ダリオ氏はMMTを受け入れる以外、政策当局に選択肢はないも同然だという。

ダリオ氏はソーシャルネットワーキングサイトのリンクトインに投稿し、政策当局の課題は「金融政策が機能しない状況で、大半の国民が経済的恩恵を享受できるようにすること」だと指摘した。

同氏によると、政策金利の引き下げや量的緩和として知られる資産購入といった措置は、景気刺激策として能力をほぼ出し尽くしてしまった。同氏が「MP3」と命名した第3世代の金融政策がこれに取って代わり、その特徴はMMTの論点に大筋同調する「財政と金融の政策協調」だが、必ずしもMMTの理論を厳格に実践するものではないという。

このシフトはすでにかなり進行しているとダリオ氏は指摘。日本や欧州はゼロ金利付近から脱却できない。米国も経済が崩れればその状態に戻る可能は高く、財政政策による主導権奪取はすでに、「概して現実に起きている」と述べた。

5/3(金) 2:17配信
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