凍結乾燥精子 高温や低温に耐性

*ソース元にニュース画像あり*

http://www3.nhk.or.jp/lnews/kofu/20190509/1040006357.html
※NHKローカルニュースは元記事が消えるのが早いので御注意を

インスタント食品の製造にも使われる、フリーズドライ技術で凍結乾燥させたマウスの精子は、
高温などの環境にさらされても子どもを誕生させる能力が保たれることがわかったと
山梨大学などの研究グループが発表しました。
グループでは、希少な動物などの遺伝子資源を長期間安全に保存するために重要な知見だとしています。

山梨大学発生工学研究センターの若山照彦教授らのグループは、インスタント食品の製造にも使われる
フリーズドライ技術で凍結乾燥させ、ほぼ真空状態の容器に入れたマウスの精子を高温の環境に置いたり、
急激に冷やしたりしたあと顕微鏡を使って体外授精させ、子どもを誕生させることができるか実験を行いました。

その結果、95度のオーブンで1時間加熱したあとのフリーズドライ精子からも子どもが誕生したほか、
人工的に糖類を加えると、最長6時間加熱し続けても子どもが得られたということです。

また、氷点下196度まで冷やしたあと室温に戻してとかす作業を10回繰り返しても、
子どもを誕生させることができたということで、精子のDNAには強い温度耐性があることがわかったとしています。

グループでは、これまでもフリーズドライ精子をほぼ真空状態にすることで、
室温で1年間保存したあとでも子どもを誕生させることに成功していて、
今後、希少な動物などの遺伝子資源を長期間安全に保存するために重要な知見だとしています。

研究を担当した若山清香助教は
「絶滅のおそれのあるものを含めさまざまなほ乳類の精子をフリーズドライで保存すれば、
災害時などでも安全に保存できる可能性がある」と話しています。

この論文は、イギリスのオンライン科学雑誌「サイエンティフィックリポーツ」に掲載されています。

05/09 16:39