陸上自衛隊オスプレイの佐賀空港配備計画を巡り、九州防衛局が14日に着手した飛行音の影響調査。防衛局は初日の結果の詳細を明らかにせず、8月まで10回程度の調査を重ねて影響の有無を報告する考えを示した。一方で、配備計画に反対する太良町の投網漁業者から「ヘリコプターの音でコハダが沈んだ」と懸念する声が上がった。

 この日の調査では、防衛局職員ら8人が乗船した調査船が午前7時に太良町の漁港を出港。佐賀空港沖での調査を終え、正午ごろに帰港した。

 防衛局地方調整課の秋吉裕一課長は記者団に「群れを発見し、ヘリの音による反応を確認できた。内容はすべての調査が終わってから公表する」と述べるにとどめた。

 コハダ漁の漁業者が懸念するのはオスプレイの飛行音だ。投網漁をする際も、船のエンジンを止め、櫓をこいで近づかなければならないほどコハダは音に敏感だ。

 調査船を先導する漁船に乗って調査に同行した漁業者の一人は「ヘリが真上に来る前からコハダが海面から沈んだ。やはり、オスプレイには来てほしくない」と話した。

 県有明海漁協大浦支所の弥永達郎運営委員長は「一連の調査で騒音がコハダ漁に影響を与えるということをはっきりさせたい」と話した。ただ、投網漁業者は漁協内では少数派で、オスプレイ配備計画については「漁協全体や地権者の判断に従うしかないだろう」と複雑な表情を浮かべた。

=2019/05/15付 西日本新聞朝刊=
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/saga/article/510102/
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