組トップ使用者責任認めず 特殊詐欺被害で東京地裁
2019.5.24 13:37社会裁判
https://www.sankei.com/affairs/news/190524/afr1905240021-n1.html

 指定暴力団住吉会系の組員らによる特殊詐欺の被害者が、住吉会の関功会長と福田晴瞭前会長らに計1950万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(伊藤繁裁判長)は24日、詐欺グループの組員の男に1100万円の支払いを命じた。関会長らの使用者責任は認めなかった。

 同種の訴訟で水戸地裁は23日、暴力団対策法の使用者責任を負うと判断し、関会長らに計605万円の支払いを命じた。

 原告は関東地方在住の高齢の女性。訴えによると、平成26年7月、息子を名乗る男から電話で「会社のお金を使い込んだ。上司に払うお金を用意してほしい」と言われ、1千万円をだまし取られた。

 この詐欺事件で有罪が確定した男は住吉会系の組員で、詐欺グループの中で重要な役割を担っていたと主張。住吉会の運営を支配していた関会長らは、暴対法や民法の使用者責任を負うと訴えている。住吉会の西口茂男・元総裁も訴えられたが、29年に死亡したため相続人が訴訟を引き継いだ。