0001ガーディス ★
2019/06/15(土) 22:01:17.33ID:zxVR8zld9本庶氏と小野薬品は06年にPD―1特許関連の契約を結んだ。「オプジーボ」発売前の11年から契約の再交渉を始めたが、折り合いはついていない。オプジーボは複数のがん腫で治療効果を発揮し、小野薬品は14―18年度に累計26億円を対価で支払ったが、本庶氏は受け取りを拒否したまま。さらに小野薬品は今後を含め累計100億円以上の支払いを予定し、対価と別に京大へ200億―300億円の寄付も検討する。
しかし本庶氏側は、これら小野薬品の支払い意向に対し13年の修正提案よりも支払額が引き下げられたと主張し、当初の修正案の履行を要求。小野薬品も「時間を置き、話し合いを継続する」との姿勢を崩していない。
本庶氏を担当する井垣太介弁護士は「今回の事例は、日本の公正な産学連携モデルを目指す試金石」と訴える。本庶氏が小野薬品に対し強硬姿勢に出るのは、研究成果により生み出された利益を大学へ還元する仕組みを作り、若手研究者の自由な研究環境を整えたいとの思いからだ。多くの研究者も指摘するが、画期的な成果を生み出すには自由な基礎研究が不可欠。本庶氏は大学のシーズから事業化の手前に発生する“死の谷”以上に、シーズを生み出す前の基礎研究の不足を憂慮する。
ただ、製薬会社も医薬品特有の開発の難しさを抱える。医薬品の多くは10年以上の長期にわたる開発期間を要し、新薬の成功確率は2万から3万分の1ともいわれる。大型の新薬開発に成功すれば一気に業績拡大が見込めるが、同時に開発失敗の大きなリスクも背負う。また、開発が成功しても今は薬価引き下げが待っている。小野薬品の「オプジーボ」も19年度は前年度より販売数量が増加するが、薬価引き下げの影響から売上高は減少する見込みだ。
製薬会社の多くは、今回の両者対立を「コメントできる立場にない」と静観する。ただ「契約した以上、その時のルール通りに支払うのが筋。本庶先生側の主張通り払ってしまった場合、次は株主代表訴訟が待っている」と、小野薬品に同情する声も聞かれる。
現在では京大を含め各大学は産学連携の専門部署を設け、企業と研究者が契約で大きくこじれる事例は少なくなっている。レアケースとはいえ、両者の関係悪化が広く世間に知られるようになった以上、問題解決の糸口も見えない状況は双方に望ましくはない。
(文=安藤光恵)
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