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「トランプ氏のNYタイムズ批判、危険な一線を越えた」 同紙発行人が反撃
2019年6月20日 17:54 
発信地:ワシントンD.C./米国 [ 米国 北米 ]

【6月20日AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)の報道は「国家に対する反逆行為」だと非難したことを受けて、同紙の発行人アーサー・サルツバーガー(Arthur Sulzberger)氏は20日、「この発言は、報道の自由と独立性に反対するトランプ氏の運動において、危険な一線を越えた」と反撃した。

 自らの新聞ではなく、他社のウォールストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)に寄稿したサルツバーガー氏は、「国家の最高司令官による独立した報道機関に対する非難として、これ以上に重大なものはない」「トランプ氏は、われわれの仕事について事実を曲げることに始まり、われわれの品位を攻撃し、わが社のジャーナリストを悪者と決めつけてきた」「トランプ氏は攻撃をさらにエスカレートさせ、今度はニューヨーク・タイムズが死刑に値する重大な罪を犯したと非難している」と訴えた。

 米国がロシアの送電網への不正侵入を拡大していると報じたニューヨーク・タイムズに対し、トランプ氏は15日にツイッター(Twitter)で「事実上の反逆行為」だと非難。サルツバーガー氏の寄稿は、このトランプ氏のツイートに反応したもの。

 同紙の記事は、こうした米国の行動にはロシアを威嚇する狙いもあるが、両国の対立が激化した際にロシアに対するサイバー攻撃を実行する態勢を整えておく意図もあると伝えた。

 サルツバーガー氏は、この記事を公開する前に同紙はホワイトハウス(White House)に問い合わせ、内容が国家安全保障上の懸念を生むものではないことを、トランプ氏の側近が確認したと述べた。(c)AFP