https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190621-00010001-carv-ind

イギリスでは高齢ドライバーの事故関与率が低い

トヨタ・プリウスと交通事故の関係について様々な意見が主張されています。
「ニュース報道でプリウスの交通事故を見かけることが多いから、プリウスは危険なクルマだ」という主張もありますが、
日本では年間に交通事故が43万件(平成30年実績)も起きています。そのうち報道されているものはごくごく一部なわけですから、
報道だけを見て傾向を抽出することが正しい結果に導いてくれるとはいえません。あくまで統計的に使えるサンプルではなく、
メディアというフィルターがかかっているわけです。

交通事故は減っているはずなのに… GW中の報道で気になった20代の逆走事故

一方で、保険料率といって任意保険における車種別のリスクを考慮した料率が決められています。1から9のクラス分けがあって、
数字が大きいと事故リスクが大きいという見方ができます。こちらは保険の利用や支払いによって算出されるものですが、
この保険料率を調べると、現行プリウス(ZVW50型)は『対人賠償責任保険:4 対物賠償責任保険:5 搭乗者傷害保険:4 車両保険:5』
となっていて、ほぼ平均的で、どちらかというと低めという数字です。ちなみに、先代プリウス(ZVW30型)では、いずれも料率クラスは
『5』になっていますが、さらに前の2代目プリウス(NHW20型)では『対人賠償責任保険:6 対物賠償責任保険:5 搭乗者傷害保険:4 
車両保険:4』となっていて、対人事故でのリスクは高めという数字を示しているといえそうです。

いずれにしても、日本ではプリウスに限らず、車名(通称名)での事故関与率は一般に公開されていないようです。
つまり、特定のクルマの事故率が高いという主張は、ほとんどの場合で印象論といえます。しかし、クルマによって事故率が
異なるというのは昔から言われています。事故というのはクルマのメカニズムだけで起きるものではなく、むしろドライバーによる
部分が大きいのですが、事故を起こしやすいドライバーが好むクルマがあるのかもしれません。とはいえ、保険料率というのはそうした
部分も含めてリスクを計算しているわけですから料率クラスというのは、それなりに信頼できると捉えることができます。

さて、日本では通称名別の事故関与率について公表されているデータを紹介することはできないのですが、イギリスの自動車保険サービス会社である
「GoCompare.com」が2016年のイギリスにおける交通事故の傾向をまとめている「Auto Accident」というページを作っているので、その一部を紹介したいと思います。

このデータでは都市部と郊外での事故発生率や年齢別による事故関与率などがまとめられています。交通事故を起こした年齢別のデータは
26〜35歳が23.94%でもっとも多く、もっとも少ないのは75歳以上の4.14%。じつは56歳以上のドライバーを合計しても19.97%とかなり少なくなっています。
一方で16〜35歳の合計は44.44%です、イギリスでは高齢ドライバーより若い世代のほうが圧倒的に事故を起こしやすいようです。自動車の歴史が
違う部分もありますが、ここまで国によって異なるというのは意外ではないでしょうか。

前置きが長くなってしまいましたが、ここからが本題。このデータでは2016年における通称名別の事故関与率(1万台あたりの事故件数)も公開されています。

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TOYOTA PRIUS 111 in 10,000
CITROEN SAXO 106 in 10,000
BMW 330D 102 in 10,000
BMW 530D 85 in 10,000
PEUGEOT 106 84 in 10,000
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