市民を狙った4つの事件で殺人などの罪に問われている特定危険指定暴力団・工藤会のトップの野村悟被告らの裁判について福岡地方裁判所は「危害を加えるおそれがある」として裁判員裁判にはせず、裁判官だけで審理することを決めました。
工藤会トップで総裁の野村被告(72)は、会長の田上不美夫被告(63)とともに、平成10年、漁協の元組合長を殺害したほか平成24年に、長年、暴力団捜査を担当した元警察官を銃撃したなどとして4つの事件で殺人や殺人未遂などの罪に問われています。
殺人などの凶悪事件は、通常、裁判員裁判で審理されますが、福岡地裁の柴田寿宏裁判長は、工藤会について「組織に不利な言動を行った市民に対し報復として重大な事件を多数起こしている。裁判員裁判では、被告の幹部の知り合いから威迫するなどされた裁判員が辞任を申し出る事態が起きていて、危害を加えるおそれがある」と指摘し、裁判官だけで審理することを決めました。
関係者によりますと、初公判は10月に開かれる方向で調整が進められているということです。

06月27日 12時23分
https://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20190627/5010004821.html