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・「中国は最悪だったが、大阪は最高だ」“体感型”ブースを外国メディアが絶賛
・インスタ映えスポットが外国人に人気
・これから実際に運用される最新ロボットが一堂に

■「サミットがこんなに楽しいとは」
いよいよ28日に開幕するG20サミット。国際メディアセンター(大阪市住之江区・インテックス大阪に設置)はすでに開幕に向けてオープンしていて、
世界各国から続々とメディアが集結している。
今回のサミットには37の国と機関が参加しており、それだけのメディアが世界中から大阪に集まっているのだ。

政府としては、これらメディアなどに対して「日本・大阪」の魅力を存分に発揮する場にもしたい考えで、メディアセンター内に設置された
「日本紹介ブース」には50を超える企業、自治体が「自慢の逸品」を展示しているほか、無料で三食を提供するダイニングブースも設置。
寿司を満喫していた外国人記者に、メディアセンターの感想を聞くと
「2016年の中国でのサミットはなんにもなくて過去最悪だった。大阪ではこんなにたくさんの興味深い展示があって最高だ。食から伝統文化、最新技術まで、
見ていてまったく飽きない!」と大絶賛だった。
たしかに…「こんなの見たことない!」と思わず感嘆のブースだらけだったのだった。

■インスタ映え最高スポット
その外国人記者が「インスタ映えスポット」と特に興奮していたのが、2020年開催の東京五輪のトーチ(本物)が触れるブース。
その記者に教えてもらい向かってみると、どうぞ手にお取りくださいと言わんばかりに黄金(少し桜色)に輝くトーチがそこに。
実際に手に取ってみると、軽い!アルミでできていて重さは1.2kg。
「こんなに軽かったのか」と思わず独り言ちて、隣をみてみると、そこにはなんともサイバーな車いすが…
このブースに展示されていたのは「VR車いすレース」。
秋ごろから東京のスカイツリーで一般向けに公開するそうだが、ひとあしお先にサミットでお披露目となった。
左右のタイヤをまわすと、そのスピードに応じてぐんぐんVRが進んでいく。
コーナーなどもバランスをとりながら左右のタイヤを回さなくてはならず、かなりリアル。そして数分の体験が終わったころには汗だく…
2台並べてレースができるのだが、ドコモと協力し5Gを使い、その2台が遠く離れていても、VRゴーグルの中では実際に並んで競争ができるという。
あまりに夢中になり、もはやサミットのことを忘れてしまいそうになるほどだ。

■実用間近の最新技術が一堂に
中国メディアが釘付けになっていたのが、完全自立型セキュリティロボ。
大手セキュリティ会社が運用しているロボットは、天井などに設置されたセンサーを頼りに動くのだそうだが、このロボットは、「空間認識」機能があり、
3次元マップをリアルタイムに作成。完全に自立して「警備」する。8月から実際に運用されることになっている。

そのお隣では、お姉さんがゆっくりと歩行器のようなものを押してひたすら歩いていたので、何をしているのか聞いてみると…
使っていたのは「歩行トレーニングロボット」。
ただ、押して歩くのではなく、このロボットは重さを調整することができ、足腰を適度に鍛えられる。その押す強さはロボットが計測し調整。
同じ人が次に使う際は、鍛えるための重さを自動で加減する。そしてそれらのデータは蓄積され、どのくらいの期間でどの程度成果が出るのか、
「見える化」できるのだそうだ。

■世界は「日本」をどう見るのか
メディアセンターは、日本も含め各国メディアの「前線基地」として、すでに27日から一部で始まっている首脳会談、そして28日から開幕となる
サミットの情報収集センターとなる。
一方で、政府としては各国の主要メディアが集まるまたとないチャンスを逃すわけがなく、こうした日本の最新技術、伝統文化を売り込む場にもなっているのだ。
まるで大阪万博の前哨戦のような展示の数々に各国の取材は集中(まだ本番が始まってないからともいえるが…)。そのリアクションを見ていると、
その思惑はおおむね成功しているように見えた。みんな「たこ焼き」と「串カツ」を食べていたし。

唯一気になったことといえば、ベジタリアンのインド人記者が「串カツはおいしいのだが、どれが野菜でどれが肉かわからない」
と愚痴をこぼしていたことくらいか。たしかに外観からは、わからないですね…この辺のグローバル化も必要か…
サミットの本番はいよいよ28日から。