北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長が、中国の習近平国家主席に対し、前提条件を付けずにキム委員長との対話を目指すという安倍総理大臣の発言について「留意している」と述べ、日本側の真意を見極めたいという考えを示していたことが、日中外交筋の話で分かりました。今後の日本への対応に変化が出るのか注目されます。

先週、G20大阪サミットに合わせて行われた日中首脳会談で、中国の習近平国家主席は安倍総理大臣に対し、北朝鮮のキム委員長と先月20日に会談した際に、日朝首脳会談を目指す安倍総理大臣の方針や、中国政府として日朝関係の改善を支持する考えを伝えたことを明らかにしました。

日中関係筋によりますと、この際、習主席は、前提条件を付けずにキム委員長との対話を目指すという安倍総理大臣の発言について、キム委員長が「留意している」などと述べ、日本側の真意を見極めたいという認識を示していたと説明したということです。

そのうえで習主席は、中国は国連安全保障理事会の常任理事国として、北朝鮮に対する安保理決議を一貫して履行しているが、問題の解決には圧力をかけるだけでなく、希望を示し信頼関係を構築することも必要だという考えを示したということです。

キム委員長は、アメリカのトランプ大統領によるツイッターの呼びかけに応じて、南北の軍事境界線にあるパンムンジョム(板門店)で面会しており、今後の日本への対応にも変化が出るのか注目されます。

2019年7月4日 16時41分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190704/k10011982461000.html
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