https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190712-00000519-san-n_ame
 トランプ米政権の中国政策に関し、民主党系の元政府高官や中国研究者ら100人が連名で「中国は米国の敵ではない」と題した
トランプ大統領と議会あての公開書簡を米紙に掲載し、ワシントンのアジア政策関係者の間で話題を呼んでいる。
書簡には「パンダ・ハガー」と呼ばれる、いわゆる媚中派と見なされている人物も数多く含まれ、中国に厳然と対処すべきだとの認識が超党派で強まる中、
「中国に塩を送る利敵行為だ」(元米政府高官)との批判も強い。

 公開書簡はステープルトン・ロイ元駐中国米大使、スーザン・ソーントン元国務次官補代行、エズラ・ボーゲル・ハーバード大名誉教授ら5人が起草し、
4日付のワシントン・ポスト紙に掲載された。

書簡はまず、「私たちは中国政府の最近の行動に困惑している」としつつ
「米国によるさまざまな行動こそが関係の急速な悪化の直接的要因だ」と批判した。
また、
「米政府が中国に敵対的態度をとれば、穏健で国際協調主義的な中国高官の影響力を減衰させ、国粋主義的な強硬派の台頭を許すことになる」と主張。
「米国が同盟諸国に対して中国を経済的・政治的敵対国家として扱うよう圧力をかければ、同盟関係は弱体化し、むしろ米国が孤立化に陥る」などと訴えた。

 書簡の起草者のうち、ロイ氏は現在、キッシンジャー元国務長官が設立したコンサルタント会社の役員を務めるが、関係者によると
同社の顧客は中国の企業や団体で占められている。
また、ソーントン氏は在任中、国務次官補(東アジア・太平洋担当)に指名されたものの、人事を承認する上院で「親中派」と見なされ、
昨年7月に退職を強いられた。ボーゲル氏はかつて「日本が中国と韓国に謝罪すれば関係は改善する」と発言するなど、中国と密接な関係にある。

 これに対し、同紙のジョン・ポンフレット元中国特派員は、トランプ氏の対中政策に支持を表明し、
「これらの中国ウォッチャーは、過去に一度も成功しなかった対中融和に回帰すべきでない」と警告した。