今月、長崎市で掘削作業の機材がJRのトンネルの天井を突き抜け列車に接触したトラブルで、トンネルの位置を誤って記された地図が使われていたため、国土地理院は、地下構造物の記載は実際とは異なるおそれがあるとして、建設業団体に対し、地図の利用に十分注意するよう文書で呼びかけていることが分かりました。

今月11日、長崎市でボーリング調査をしていた掘削作業の機材が下にあるJR長崎本線のトンネルの天井を突き抜けて、特急列車に接触するトラブルがありました。

工事を発注した鉄道・運輸機構は、現場などの確認をせずに国土地理院の地図を利用して図面を作成したため、トンネルの位置がおよそ80mずれて記載されていたことに気付かなかったということです。

今回のトラブルを受け国土地理院は建設業団体に対し、地図を使う際に注意するよう文書で呼びかけていることが分かりました。

国土地理院の地図は航空写真などから正確な地形や標高が記載され自治体などが公式の地図として採用していますが、地下構造物は、施設管理者から提供を受けた資料を基に作成しているため、地上と比べて精度が低く実際の位置とは異なるおそれがあるということです。

国土地理院はこうした呼びかけは過去に例がないとし、「工事で地図を使用する場合は、安全かどうか施設管理者などに十分確認してもらいたい」としています。

2019年7月30日 4時50分
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