長女幸恵さんの遺影と遺骨の前で話す津田伸一さん=2日午後、加古川市
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 京都アニメーション放火殺人事件で犠牲になった津田幸恵さん(41)の名前が京都府警によって公表されたことを受け、父の伸一さん(69)は2日、兵庫県加古川市の自宅で報道陣の取材に対応し「幸恵と二度と会話ができない現実は変わらない。なんでこんな目に遭わなければいけないのか」と悲痛な思いを語った。

 幸恵さんは加古川市の高校を卒業後、アニメの専門学校を経て同社に入った。第1スタジオの2階で彩色の仕上げを担当していた。

 京都府警から7月24日にDNA型鑑定の結果が伝えられ、同28日に葬儀を終えた。だが、幸恵さんの遺骨は自宅のテーブルに安置したまま。家族で事件について話すことはないという。「心にぽっかりと穴があいた感じ。誰に文句を言うこともできない。災難だったとあきらめるしかないじゃないですか。犯人のことを考える余裕は、まだまだない」と声を震わせた。

 伸一さんは事件直後から取材に応じ、幸恵さんの名前を明らかにしてきた。「娘の安否を気遣ってくれる人に、伝える方がいいと思った」と話す。「公表してほしくないという遺族の気持ちも分かる。できることなら、そっとしてほしい」と静かに目を閉じた。(本田純一、若林幹夫)

8/3(土) 8:30配信
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