六月下旬に魚津市沖の定置網で、全長二〇〜四〇センチの大型イサキが三桁に達するほど大量に取れ続けていたことが分かった。魚津水族館によると、リュウグウノツカイとアカナマダの確認ラッシュ、夏場のハリセンボン捕獲と並ぶ今年の富山湾の不思議の一つだ。

 イサキは背骨に平行な黄色のしま模様が体表にあるのが特徴。太平洋側では、釣りの対象としても食用としてもポピュラーな魚だが、日本海では珍しく、魚津港では年間を通じ、全長一〇〜一五センチの小さい個体がたまに数匹、水揚げされる程度だった。

 同館によると、イサキは六月二十五日に大型が百五十匹漁獲されたのをはじめ、二、三日後にも約百匹、その後も数を減らしながらも七月上旬まで取れ続け、漁業者を驚かせたという。

 温暖化による海水温上昇で生息域が広がったという説はあるが、少なくとも富山湾では繁殖の証拠となる体長数センチの幼魚が確認されていない。

 同館は六月二十五日に漁獲された全長二五〜三五センチの十匹をマアジ、クロダイ、カワハギなどと一緒に生体展示している。 (松本芳孝)

中日新聞
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富山湾で大量漁獲されたイサキ=魚津市の魚津水族館で
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