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■まるで弾丸! 時速300kmの襲撃
 北海道の北部、日本海に面する小平町の海岸で、毎年、繰り返されている命のドラマです。
小平町の海岸には、毎年、アオバトが飛来します。
以前も紹介しましたが、体の色がウグイスのような鮮やかな黄緑色のアオバトは、海水を飲みに、岩礁に飛来します。
波が来れば、飛び上がり、波が引けば、また岩場に降りて、のんびりミネラルを補給します。

そこへ、上空から何かが弾丸のように突っ込みました!
世界最速の猛禽類ハヤブサの襲撃です。
ハヤブサは、2km先の小高い山の上から狙いをつけ、上空から一気に加速して、海面近くにいる獲物を真っ直ぐに襲撃します。
そのスピードは300kmにも達すると言われています。

襲撃の瞬間は、肉眼でぼんやり見ていたら、ハヤブサが飛んで来たのにまったく気づかないほど速いです。
ただ、バンと爆発音がしてアオバトが墜落していくのを見るだけです。
撮影するには、アオバトが岩礁に飛来しているときに、ハヤブサが山の巣から飛び立つ瞬間を見逃さないようにして、それから飛行ルートを予測し、
アオバトに爪を立てる瞬間にシャッターを切ります。

狩りは100%成功するわけではありません。
獲物に爪をかけるのに失敗して、素通りしてしまうことも結構あります。
そうなると、また数時間、狩りの瞬間を待つことになります。
1日待って、1度も狩りをしないこともあります。
この一連の行動を撮ろうと思い立ってから、記録できるまで5年ほどかかりました。


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遥か上空から新幹線並みのスピードで襲撃。アオバトたちは気づきようもない
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高速の襲撃に遭ったアオバトはまるで銃で撃たれたような状態に
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捕らえた獲物を運ぶハヤブサ
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海岸の流木の上で補食するハヤブサ
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